水道敷設で土地寄付の八幡朝見神社に 半世紀ぶりに感謝状 別府市

西日本新聞 大分・日田玖珠版 稲田 二郎

 水不足解消のために大分県由布市庄内町の大分川から別府市まで水をひいた1965年ごろの利水事業で、配水管の敷設のために、別府市に土地を寄付したとして、同市は18日、八幡朝見神社(同市朝見2丁目)に感謝状を贈る。同市が水道100周年の記念冊子を作成するため、過去の歩みを調べる中で、今回の寄付が判明した。半世紀ぶりの感謝状贈呈となる。

 別府市は水源に乏しく、昭和30年代の市政発展などに伴って給水制限などが行われた。さらに66年には大分国体が開催されることになり、市は県と共同で由布市庄内町の大分川からの1日最大5万立方メートルを取水する利水事業に乗り出した。

 工事は64年4月に着手。大分川から別府市の朝見浄水場まで約21キロを導水し、拡張した朝見浄水場から市内全域に通水する計画だった。事業に当たり、朝見浄水場から市内への配水管(直径70センチ)敷設用地として、近くの八幡朝見神社が65年3月、約180平方メートルの土地を寄付したという。利水事業は大分国体に間に合い、別府市の水不足は解消。現在も別府市内で使われる水の76%は大分川の水を使っている。

 市水道局は水道給水開始から100年の2017年に合わせて、記念冊子を作成。職員が水道の道のりを調べる中で寄付が明らかになり、半世紀ぶりに謝意を示すことになった。

 八幡朝見神社の神日出男宮司(72)は当時、九州大の大学生で「当時のことはよくわからないが、寄付したのは祖父で宮司だった喜久男氏ではないか」と話す。別府市からの今回の申し出について「驚いた」といい、「神社は地域の皆さまのもの。そんな気持ちから、祖父は地域発展のために寄付したのでは」と語る。

 市水道局は「市が安全で安心なおいしい水を供給できるのは、当時の朝見神社の英断があったから。感謝の思いでいっぱいです」としている。(稲田二郎)

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