改善見込めず再開未定 北九州市「あじさいの湯」休業1年余

西日本新聞 北九州版 西山 忠宏

 北九州市が八幡東区河内地区に整備した日帰り温泉施設「河内温泉あじさいの湯」が老朽化や利用者減などを理由に昨年1月から休業して1年余りになる。公設民営方式で運営を約10年担ってきた「創裕(そうゆう)」(高松市)との契約は昨年3月に解除。市は別の民間事業者のノウハウなどを導入して施設を再整備し再開したい考えだが、めどは立っていない。休業中でも維持費はかかるため税金投入は膨らむ一方だ。市には迅速で適切な対応が求められる。

 2000年11月に整備された同施設は北九州国定公園内に位置する。敷地面積約4ヘクタールで、温泉設備がある建物、車280台分の駐車場、菜の花などの景観を楽しめる園地がある。整備費は土地代を含め約23億円。

 周辺には河内貯水池、サイクリングターミナル、河内藤園などの観光スポットもあり、あじさいの湯の利用者数はピークの01年度に33万人を記録した。ところがその後、民間温浴施設が市内で相次ぎ開業した影響などで減少傾向となり、16年度は15万人にまで落ち込んだ。

 開業から約20年たち設備も老朽化。市は湯を温める電気ボイラーなどの改修工事費として18年度予算に約2億5千万円を計上した。だが改修して電気代を削減しても収支の大幅な改善は見込めないとして工事は見送った。

 この改修工事を巡っては訴訟にまで発展した。昨年11月、創裕が市を相手取り、約1億円の損害賠償を求めて福岡地裁小倉支部に提訴した。改修工事による電気代削減について市から誤った情報を提供された中で契約を更新し、17~18年度で約1億円の損失を受けたとしている。

 市は新たな運営事業者の公募を検討するのに先立ち、民間事業者から事業アイデアを募る「マーケットサウンディング」の実施を昨年11月に打ち出し、同月に事前説明会を開いた。3団体が参加したものの、結局、アイデア提供はなく、再開に向けた具体策は見いだせないままだ。

 休業中の機械警備費や電気代といった維持費は、昨年末で既に約280万円。今後も休業を続ければ「維持のためだけの税金投入」がさらに増え続ける。それでも市は、今後の方針を打ち出す時期について「できるだけ早期に結論を出したい」(公園緑地部)と答えるだけだ。 (西山忠宏)

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