幻の「島原木綿」を復活 保存会、4月に30周年

西日本新聞 長崎・佐世保版 真弓 一夫

 約400年前に発祥し、一度は途絶えた長崎県島原市有明町の織物「島原木綿」(市無形民俗文化財)を復活、伝承している「島原木綿織保存会」(金子加代子会長、9人)が今春、発足30周年を迎える。15、16日の有明公民館まつりで自作の反物で仕立てた服でファッションショーを行い、一足早く30周年に花を添えた。

 島原木綿の歴史は1612年にさかのぼる。有明町の勝光寺の建立祝いに贈られたとされ、農漁村で連綿と受け継がれた。大正から昭和初期に輸出産業に成長したが、糸不足などで戦時中に途絶え、地元では「幻の反物」とされた。

 1987年に開館した旧有明町歴史民俗資料館に、住民が家に残る織り機を寄贈したことをきっかけに、町教委などが島原木綿の経験者を講師に招き木綿織り教室を開催。受講者10人が90年4月に保存会を結成し、週3回、有明公民館の織り機9台で反物づくりに励んでいる。

 すべて手作業で、伝統の藍染めの縦じま模様を守りつつ、現代風の感覚を生かした織り柄をデザイン。コートや洋服、名刺入れ、ペンケース、ちょうネクタイなど新分野にも挑戦しており、後継者として期待される30代の会員が加わり、織り機の修理を協力する職人も増えた。金子会長(76)は「縦糸を織り機に通すとき、一本でも間違えてはいけないと教わった。縦じまに込められた先人の思いと合わせ、島原木綿の素晴らしさを伝えていきたい」と話している。 (真弓一夫)

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