卒業列車に思い出刻む 高森高生、南阿蘇鉄道全線復旧へエール

西日本新聞 熊本版 佐藤 倫之

 南阿蘇鉄道(熊本県高森町)で、地元の高森高校を今春卒業する3年生39人に、ふるさとの鉄道と沿線風景を楽しんでもらう「卒業列車」が12日運行された。新たな門出を前に、同鉄道が招待し今年で11回目。熊本地震後、部分運行が続く高森-中松間(7・1キロ)を往復した。

 宮崎大農学部への推薦入学が決まっている男子生徒は「列車に乗るのは中学校以来。南阿蘇村にある家から、高森町の夏祭りに行く時に乗った。将来は農場に就職するか、研究者となり、また乗りたい」。

 地元の会社に就職する女子生徒は「小学生のころ、家族で熊本市に行く時、よく乗っていた」。それぞれに思い出があり、車窓の風景を懐かしんでいた。

 生徒たちは中学3年の新学期早々、熊本地震に被災。通学路線でもあった鉄路も寸断される中、進路選択を迫られた。生徒代表であいさつした後藤優々美さんは「南阿蘇鉄道は今までも、これからも私たちの支え。全線復旧し、いろんな場所に行けるようになることを楽しみにしている」とエールを送った。

 列車内では、ぜんざいが振る舞われ、職員の軽妙な司会で同鉄道にまつわるクイズで盛り上がった。紅茶のテレビCMで知られるようになった「見晴台駅」などで停車すると、記念撮影を楽しんだ。

 第三セクターが運営する同鉄道は地震前、アジアからの観光客が増え、営業収益を伸ばしつつあった。2022年度の全線開通(17・7キロ)を目指しているが、未開通の立野-中松間(10・6キロ)では難工事が続いている。

 生徒から贈られた寄せ書きには「人の笑顔を乗せて運ぶ日が来ることを楽しみにしています」「南鉄ファイトー」などの言葉が記されていた。 (佐藤倫之)

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