【こども記者だより】戦争、自然、演劇…こども特派員がリポート

西日本新聞 こども面

 こども記者を経験した3人のこども特派員が興味を持って取材したことや地域活動で訪れたところ、学校での特別授業について、それぞれ記事にして送ってくれました。紹介します。

戦争遺跡「無窮洞」で平和を思う

木原萌特派員(福岡県新宮町・新宮中2年) 

 ハウステンボスから車で10分くらいの場所に、太平洋戦争中に造られた「無窮洞」(長崎県佐世保市)と呼ばれる戦争遺跡がある。私は歴史が好きなので家族と見学に行った。

 無窮洞は、旧宮村国民学校(現同市立宮小学校・中学校)の防空壕(ごう)跡だ。ガイドさんの説明や案内板によると、当時の校長先生の発案で1943年から工事が始まり、20年8月15日の終戦まで掘り続けられた。

 内部は幅約5メートル、奥行き20メートルで、全校生徒約600人が入ることができた。工事は先生の指導で高等科(中学生)の男子生徒が掘り、女子生徒が仕上げを担当。初等科(小学生)の児童が土や岩を運び出したそうだ。中に入るとつるはしやのみ、くわだけで掘ったとは思えないほど広い。岩を削って作った教壇、ローソク用の明かり棚、天皇陛下の写真「御真影」を置く場所もあった。中で生活できるように炊事場、トイレ、食糧倉庫も作られた。倉庫の壁には、まだ生々しいつるはしの跡があった。

 以前、取材で訪れた宇佐海軍航空隊跡(大分県宇佐市)に近い小学校には空襲の跡が残っていた。「無窮」とは無限の意味。子どもたちの将来を思って名付けたのだろうか。のどかな村の学校まで空襲におびえる戦争は本当に恐ろしい。皆さんにもぜひ無窮洞を見てほしい。

自然に学び、大切に

本間友一郎特派員(福岡市・青葉小6年) 

 僕は福岡市東区の公民館などで活動する「青葉パークネイチャークラブ」に入っている。このクラブは「自然に親しみ、自然と遊び、自然に学び、自然を大切にする」ことを活動理念に2007年に結成。自然観察会などを行っている。

 昨年12月、クラブでバスを貸し切り、日本一のツルの渡来地として知られる鹿児島県出水市に行った。市内に入ると田や畑にツルがいて、「ツル観察センター」に近づくほどにその数は増えていった。センターの屋上は寒かったが、珍しいカナダヅルを見ることができた。

 クラブの会長で造園業の瓜生顕一郎さん(66)に話を聞いた。昔、瓜生さんも同じようなクラブに入っていて、登山や仕事を通じて自然についての知識を身につけたそうだ。「みんなと活動している時は自分も楽しい。楽しくなければやっていけないよ」と話し、公民館や企業の協力があって活動ができていることに感謝していた。

 残念だが、クラブは一時活動休止になる。どんなことをするか企画し、僕たちに自然のことを教えてくれた瓜生さんにお礼を言いたい。

 地球温暖化防止のためにクラブで学んだことを、僕たちがこれからの人たちに受け継ぎ、少しでも地球のことを考えてくれる人が増えるようがんばります。

「対話と折り合い」学んだ

平川千野特派員(福岡県大牟田市・羽山台小5年) 

 劇作家で演出家の平田オリザ先生が昨年10、11月の2回、学校で5年生に授業をしてくださった。平田先生は全国で演劇を通してコミュニケーションについて学ぶ取り組みをしている。

 5年生64人が6、7人のグループに分かれ、1回目は朝の教室に転校生がやってくる、2回目は朝の通学途中に外国人が道をたずねてくる設定で演劇を創作。台本を見ながらみんなで役を決めてセリフも考えた。短い時間で創作するのはとても難しかった。セリフも決まらず練習もできないままでの披露となったけど、学ぶことはたくさんあった。

 平田先生の言葉で印象に残ったのは「相手と対話する演劇は社会に役立つ」。会話とはちがい、相手を理解することが対話だそうだ。例えば3時のおやつにイチゴを食べるか、メロンを食べるかをけんかではなく話し合いで決める。対話をして折り合いをつけることが大切。対話では何を優先せるかを判断する力が必要だと学んだ。

 私たちは2月に学習発表会で地球温暖化についてグループで発表することになった。普通に発表▽ニュース形式▽劇-と意見が分かれた。劇は恥ずかしいという意見が多かったが、下級生にもわかりやすいのは何かを話し合い、劇という意見で一致した。「対話がうまくいったのかな」と思った。

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