守り育てたうま味の濃さ 福岡糸島・加布里の天然ハマグリ

西日本新聞 夕刊

 焼きガキを食べさせるカキ小屋でにぎわう福岡県糸島市の加布里漁港。「あそこに、竹が立っとるとが見えますかね? ハマグリは、あの辺りで掘るとですよ」と、カキ小屋「ひろちゃんカキ」の店主、鍋嶋弘則さん(40)が、店の前に広がる加布里干潟を指さした。全国でも数少ないハマグリの天然繁殖地だ。

 産卵できるようになるまで3年ほど、殻長が5センチほどに育つまで4~5年かかるハマグリ。激減した時期もあり、糸島漁協加布里支所ハマグリ会の漁師たちは、5センチ未満の個体はふるいにかけて海に戻すなど努力を続け、資源の回復に成功した。今も水揚げ量を「1日1人当たり10キロまで」と制限するなどし、天然ハマグリを守り育てている。

 全国から引き合いがあるのに数量が限られているので、地元でもなかなか口にできない貴重品。でも、加布里干潟に臨む二つのカキ小屋では、提供する具材メニューにラインアップされている(ひろちゃんカキ=中サイズ10個1200円、住吉丸=1個100~200円)。

 よく熱した網に貝をのせると、程なく口が開き、身がぐつぐつと踊り始めた=写真。プリプリとした身のきめの細かさと歯応え、うま味の濃さといったら…。

 現地に足を運び、この奥深い味わいを、ぜひ。 (フリー記者・森千鶴子)

 ▼加布里の天然ハマグリ 漁期は3月末までだが、なくなり次第終了。「食べたい方は朝9時の開店時に来てください」と鍋嶋さん。ひろちゃんカキ=090(5295)3020(午前9時~午後5時、週末は午後6時)。

PR

くらし アクセスランキング

PR

注目のテーマ