工藤会の「象徴」撤去 本部事務所解体工事が完了 北九州市

西日本新聞

 特定危険指定暴力団工藤会の本部事務所(北九州市小倉北区)の解体工事が18日、終了し、工藤会の「象徴」の撤去が実現した。福岡県公安委員会は同日、暴力団対策法に基づく同事務所への使用制限命令を撤回。5年以上続いた命令は、工藤会の「鉄の結束」にくさびを打つ役割を果たし、識者らは「県警の壊滅作戦や事務所撤去に大きく寄与した」と評価した。

 18日午前、本部事務所の解体工事現場。福岡県警の捜査員3人が、塀の一部に張られていた使用制限命令の標章をはぎ取った。塀も重機で撤去された。

 関係者によると、19日に工藤会側から県暴力追放運動推進センターへ、センターから県内の民間企業へ、土地の所有権を移す手続きを行う。土地はその後、ホームレス支援などに取り組むNPO法人「抱樸(ほうぼく)」(同市八幡東区)が購入し、地域の誰もが利用できる「総合的な福祉拠点」として整備される予定。

 本部事務所は、幹部や組員が一堂に会して定例会合などを行う「組織への忠誠心を高め、結束を固める拠点」(捜査関係者)。2014年9月に壊滅作戦を始めた県警にとって「いつか“落城”させたい目標」(別の捜査関係者)だった。

 使用制限命令は、組事務所が組員の集合や謀議などに使われる恐れがある場合、各都道府県の公安委が組員の出入りを禁止するものだ。ただ、かつては抗争状態の暴力団が対象で、命令の延長も一度きりだった。

 国は工藤会対策を念頭に、12年の改正暴対法で特に危険性の高い暴力団を指定する「特定危険指定」制度を創設。命令の延長も何度でもできるようにした。

 県警はこの「武器」を使い、捜査と両輪で工藤会を追い詰めた。県公安委は14年11月に初めて使用制限命令を出し、以後18回延長した。命令は今年3月25日が期限だったが、事務所そのものが姿を消し、所有権も移転されるため撤回した。

 捜査関係者は「組織の結束を緩め、ダメージを与えることができた」。元日弁連民事介入暴力対策委員長の疋田淳弁護士(大阪市)も「本拠地を封じ込め、事務所撤去の大きな要因になった」と語った。

 一方、工藤会が関わったとみられる未解決事件は残り、中枢組織田中組事務所など4カ所には引き続き使用制限命令が出ている。元県警本部長の吉田尚正氏は「命令が壊滅作戦の大きな推進力になった。引き続き、壊滅に向けた取り組みを期待する」と話した。

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