馬毛島公表せず設計事業 防衛省、基地整備へ18年度着手

西日本新聞 一面 湯之前 八州

 防衛省は18日の衆院予算委員会で、米軍艦載機の訓練移転候補地として政府が買い取りを進める鹿児島県・馬毛島(西之表市)について、買収開始以前の2018年度に基地整備に向けた設計事業に着手していたことを明らかにした。設計着手は、訓練受け入れへの住民賛否が割れている西之表市にも説明していなかった。情報開示せずに、事業を前倒しで進めてきた政府の姿勢が問われそうだ。

 政府の決算資料と、この日の田村貴昭氏(共産党)の質問に対する答弁によると、防衛省は18年度一般会計で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設を巡る埋め立て工事費から約35億円を、国会審議を経ない「流用」という手法で確保。うち約31億円を、馬毛島の基地整備の設計事業に充てていた。

 設計事業は現在も継続中だが、西之表市にはこれまで「施設整備の検討」とあいまいな説明にとどめていた。西日本新聞の取材に対し、同省担当者は「地元には理解してもらえたと思っている」と話した。

 馬毛島への訓練移転は、日米両政府が11年に共同文書に明記。防衛省と島の地権者との買収交渉は難航したが、19年11月に国が約160億円で買い取ることで合意した。ただ、買収費用が不動産鑑定価格の3倍を超える高額になったことに加え、全額を流用手法で捻出するなど、政府の強引さが指摘されている。

 予算委で、田村氏が流用の妥当性に疑問を呈したのに対し、麻生太郎財務相は「財政法に基づいており適正」などと述べるにとどめた。河野太郎防衛相は買収費用の積算根拠を問われたが、「今後の円滑な取得に影響を与える可能性がある」として重ねて公表を拒んだ。 (湯之前八州)

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