<未来のあなたを見たいです。あきらめないで下さい>…

西日本新聞 オピニオン面

 <未来のあなたを見たいです。あきらめないで下さい>。小学4年の女の子が自分宛てに書いた手紙だ。親に虐待を受けて昨年1月に死亡した千葉県の栗原心愛(みあ)さん=当時10歳

▼手紙は亡くなる3カ月前に書かれた。終業式に心愛さんが読むはずだった。通知表などと一緒に、学校から祖母に渡された

▼<終業式の日、あなたは漢字もできて、理科や社会も完ぺきだと思います。十月にたてためあて、もうたっせいできましたか><五年生になってもそのままのあなたでいてください>。冒頭の一文は手紙の最後につづられていた

▼心愛さんは2017年11月、「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」と学校に訴え、児童相談所に一時保護された。その後、祖父母が預かったが、児相の判断で自宅に戻り、結果として悲劇につながった

▼「未来のあなたを見たい」「あきらめないで」と自らを励ました心愛さん。絶望的な現実の中で、未来への希望を持ち続けていたのだろう。「どういう気持ちでいたのか、分かってやれなかった」と言う祖母の後悔の涙には言葉もない

▼児童虐待防止のため、厚生労働省が体罰の例を示した指針を公表した。「頬をたたく」「夕飯を与えない」。当然だが、実際にはつい手を上げてしまうことがあるかもしれない。そんなときは思い出してほしい。「未来のあなたを見たい」という心愛さんの願いを。

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