稲佐山ロープウエー延伸か ジャパネット構想、長崎市調査 課題は工費

西日本新聞 夕刊 徳増 瑛子

 長崎市の観光名所、稲佐山の山頂と麓の駅を結ぶロープウエーを巡り、市街地まで延伸させる構想が浮上している。通販大手ジャパネットホールディングス(HD、長崎県佐世保市)が地域振興の一環として掲げ、所有する長崎市も麓の駅が使いづらいとの理由で移転を視野に調査を進めているためだ。ただ費用は誰が負担するのかなど課題があり、実現するかは見通せない。

 現行のロープウエーは、高低差が298メートルある両駅間の山肌に沿う形で1090メートルの距離を結ぶ。市街地の景色や美しい夜景を見物するため山頂を訪れる観光客の移動手段となっている。民間企業が所有したが1998年、市に無償譲渡され、現在は指定管理者に運行業務を委託している。

 同HDは2018年2月、同市幸町の三菱重工業工場跡地に新サッカースタジアムの建設を検討していることを明らかにした。その際、市が業務委託する稲佐山のロープウエーにも言及し、麓の駅を越え、新スタジアムまで延ばす構想を明らかにしたのが発端だ。

 市もその後、乗り場である麓の駅の駐車場が繁忙期は満車になるなどの課題もあることを理由に、駅の位置をずらすことができるかどうか調査を始めた。(1)現行のロープウエーをスタジアム予定地、もしくは手前の三菱球場まで延伸する(2)南側に移転する-という二つの方向性を視野に、3月末まで調査し、工費がどれだけかかるかなど実現の可能性を探るという。

 ただ仮に「実現可能」との調査結果が出ても、市とHD側のどちらが工費を出すのかという課題が残る。ロープウエーの施設は市が所有するが、それを一民間業者であるHD側が建設するスタジアムまで延伸することになるならば、市だけが負担することに異論が出るのは避けられない。

 またスタジアムまで延伸すれば、その間にある県道の高架(地上約16メートル)よりも高い空間にロープウエーを通す必要があり、技術的に難しいとの指摘もある。市担当者は「調査結果が出るまで分からない。現段階で実現するかどうか何とも言いようがない」と話す。 (徳増瑛子)

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