新型肺炎に福岡市の夫婦感染 九州初、渡航歴なく市中感染否定できず

西日本新聞 坂本 公司 泉 修平

 福岡市は20日、同市中央区在住の60代の夫婦が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。九州での感染確認は初めて。発熱や肺炎の症状で県内の感染症指定医療機関に入院しているが、夫は自分で食事を取れており、重症化はしていない。妻も軽症という。夫婦は中国を含め最近の海外渡航歴はなく、市は「感染経路の特定が難しく、市中感染の可能性は否定できない」としている。

 市によると、夫は無職で妻はパート。息子との3人暮らし。夫は13日に37・5度の発熱があり、市内の医療機関を受診。せきの症状はなく、自宅療養を指示された。その後も発熱が続き、19日に同じ医療機関を再度受診したところ、エックス線検査で肺炎の症状を確認。感染症指定医療機関を受診、入院した。20日未明、ウイルスを高精度で検出するPCR検査の結果、陽性が判明した。13日以降は通院以外では自宅を出ておらず、市は発症後の濃厚接触者は家族以外にいないとしている。

 妻は17日に悪寒があると訴えて医療機関を受診し、風邪と診断された。18日は37度台の発熱。翌日はマスクを着用して市内の勤務先にタクシーで出勤した。夫の濃厚接触者として20日に検査を受け、同日夜、陽性が判明した。市は勤務先の濃厚接触者を調べる。妻は16日まではバスで通勤していたという。息子は陰性だった。

 市は夫婦に対してウイルスの潜伏期間とされる「発症前2週間程度」に訪れた場所などの行動歴を聞き取り、感染者の特定につながらない範囲で行動歴などを公表する方針。

 福岡県によると県内では20日午後2時までにPCR検査の結果が25人分出たが、同日夜までに陽性となったのは夫婦のみ。市は感染症危機管理対策本部の会議を開き、不特定多数が集まる市主催のイベントは当面1カ月、原則中止か延期とすることを決めた。市職員の時差出勤を推奨し、商工会議所にも実施を要請した。(坂本公司、泉修平)

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