ブルームバーグ氏に批判集中 過去に差別的政策 米大統領選民主党討論会

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】米大統領選の野党民主党候補指名を争う主要候補6人の討論会が19日、西部ネバダ州で開かれた。3月からの参戦を前に巨額資金を投じて大量のCMを流し、支持率が急上昇中の大富豪ブルームバーグ氏が初参加。情報関連企業の創業者や前ニューヨーク市長としての経験を踏まえ、政権運営能力の高さを強調しようと試みたが、金に物を言わせる選挙PRや市長時代の人種差別的な政策を痛烈に批判されるなど他候補からの集中砲火にさらされ、アピールは不発に終わった。

 米国内にはトランプ大統領の独善的な政権運営を嫌う一方、再選しなければ堅調な景気が減速すると懸念する有権者が少なからずいる。その点、ブルームバーグ氏は世界有数の資産家で、不動産業で財を成したトランプ氏を資産規模ではるかに上回るほか、民主党の主要候補からは明確な経済浮揚策の主張が乏しい。

 こうした情勢下で「米国をうまく“経営”できる候補」(男性タクシー運転手)と期待が高まり、全米レベルの世論調査で2位をうかがう勢いを見せている。

 だが、討論会では経営手腕を誇示する間もなく批判の矢面に。サンダース上院議員ら左派候補は「ブルームバーグ氏のように一部に富が偏在する現状は道義に反する」などと痛烈な批判を連発。市長時代に取り組んだ黒人などに対する警察による取り締まり強化についても「黒人や中南米系を標的にし、人生を破壊した」などと非難した。

 中道の候補たちも、同じ中道のブルームバーグ氏の台頭で票が分散し伸び悩んでいるだけに、繰り返し攻撃。特に序盤戦で大きく出遅れたバイデン前副大統領は「『トランプ氏の倒し方を知っている』と言うが、世論調査では私が最もトランプ氏を倒せる候補とみられている」と強調するなど対抗心をむき出しにした。

 これに対しブルームバーグ氏は、富裕層や大企業を批判して急進的な改革の必要性を唱えるサンダース氏の主張を共産主義と指摘。「資本主義を捨て去るような主張は滑稽で、トランプ氏を再選させるだけだ」などと猛反論した。しかし、米メディアからは「準備不足で、十分に反論できなかった」(CNNテレビなど)と酷評が相次いだ。

 ブルームバーグ氏は22日にネバダ州である党員集会には参加しないものの、本格参戦する3月以降に不安を残す結果となった。

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