【ギラつくイレブン J2での挑戦】(上) 新人加わり競争熾烈

西日本新聞 北九州版 岩佐 遼介

 一度はじき返された相手選手に食らいつき、粘り強く追いかける。激しくぶつかり合ってボールを奪い、すかさず味方にパス。もう一歩でゴールのビッグチャンスを演出した。

 沖縄キャンプ最終日の8日、J1名古屋戦。格上相手に強烈なインパクトを残したのはスタメン出場した新加入のFW佐藤亮(22)だった。

 ゴールこそ決められなかったが、守備陣の裏に飛び出して何度もチャンスをつくり、惜しいシュートもあった。監督小林伸二(59)が掲げる「前線からボールを奪うサッカー」を体現したプレーだった。

 佐藤は昨年、明治大の主将として関東大学リーグ1部と総理大臣杯、全日本大学サッカー選手権大会で優勝し、3冠を達成。個人としても同リーグのMVP、ベストイレブン、ベストヒーロー賞を総なめにした。武器は豊富な運動量。チームの戦術にフィットする選手と期待される。

 順天堂大から同リーグベストイレブンに選ばれた経験があるDF村松航太(22)も加入し、昨季J2東京でプレーしたDF永田拓也(29)を獲得。選手の平均年齢は24歳に若返った。

 J3時代には考えられなかった補強が実現し、小林は「質の高い選手を獲得できたのは、昨年結果を出した成果だ」と胸を張る。

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 沖縄キャンプでは、J1の名古屋、川崎と45分の試合を3本ずつ、浦和と4本行い、いずれも大敗。相手ゴールには何度も迫ったが、決定力不足を露呈した。

 チームで唯一2点を決めたのはFWディサロ燦シルバーノ(23)。昨季7得点のストライカーに笑顔はなく、「他の誰よりも多くゴールを決めるだけだ」と表情を引き締める。

 佐藤の加入でFWのスタメン2枠を巡る争いは熾烈(しれつ)になった。昨季チーム最多8ゴールを記録した町野修斗(20)、昨季チームで唯一全試合に出場したベテランの池元友樹(34)も存在感を示す。

 リーグ最下位から優勝へとV字回復を果たした昨季、監督1年目の小林はスタメンを固定せず、誰もがスタメンを目指した。激しい競争がチームの底上げにつながった。

 その方針は今季も変わらない。スタメンが有力視されるのはJ1との3試合すべてに先発した町野、今季から背番号10を背負うMF高橋大悟(20)、強さと速さを兼ね備えたDF河野貴志(23)ぐらい。ほかのスタメンは試合ごとに大幅に入れ替わった。

 チームが掲げる「1桁台の順位」を達成するにはチームも個人も、さらなるレベルアップが不可欠。小林は「スタメンは白紙」と繰り返し、競争意識はさらに高まる。佐藤は「競争は厳しいが、負けるつもりは一切ない」と鼻息が荒い。昨季実績を残した選手たちも必死でアピールしている。

 23日、ホームで福岡との開幕戦を迎える。スタメンとしてピッチに立っているのは誰なのか。最後まで目が離せない。 (敬称略)

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 ギラヴァンツ北九州は4年ぶりのJ2の舞台でどう戦おうとしているのか。今季の戦いを展望する。 (岩佐遼介が担当します)

23日、地元開幕

 J2ギラヴァンツ北九州は23日、小倉北区のミクニワールドスタジアム北九州で、アビスパ福岡との開幕戦に臨む。午後1時半キックオフ。福岡ダービーは5季ぶりで、通算成績は2勝8敗と負け越している。

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