朝倉・松末に豪雨伝承の広場 復興見える場所想定

西日本新聞 ふくおか都市圏版 横山 太郎

「防災学習の拠点に」

 九州豪雨で被災した福岡県朝倉市は21日、災害の経験と教訓を次世代につなぐため、甚大な被害を受けた松末地区に「伝承広場」(仮称)の整備を検討していることを明らかにした。市が同日開いた「第3回市復興推進委員会」の中で説明した。

 同地区は九州豪雨で世帯の約6割が全半壊し、多くの犠牲者を出した。市によると、地区から「被災状況や復旧・復興の姿を後世に伝えたい」との思いが寄せられていたという。

 広場の場所や内容、完成時期は未定だが、市は今後、同地区と協議を本格的に始め、2020年度中に策定予定の復興実施計画の中に盛り込みたい考え。

 市によると、広場は地区内に複数整備。新たに建設される砂防堰堤(えんてい)や、川幅の拡幅工事などが進む河川、一から造り直される農地などがそれぞれ見渡せる場所を想定している。

 広場には被害状況などを説明したパネルの展示などを検討している。市復興推進室は「災害復興のシンボルであり、防災学習の拠点となるよう、地域や関係機関と連携して検討を進めたい」としている。

古里帰還率 松末は29%

 21日の「市復興推進委員会」では、被災者の「古里帰還率」が初めて公表された。市は自宅が全半壊した世帯や戻ることが困難な長期避難世帯など計1069世帯を対象に、恒久的な住まいを確保した「本再建」状況を定期的に調査している。今回、地域ごとの再建状況を分析しようと算出した。

 市内で最も大きな被害が出た松末地区の被災世帯の本再建率は69・8%で、うち地区内で再建した世帯は29・2%にとどまった。

 その他の地区の本再建率と帰還率は、三奈木100%(93・5%)▽蜷城(ひなしろ)98・7%(89・3%)▽高木88・1%(39・3%)▽朝倉94・1%(89・0%)▽久喜宮90・1%(67・2%)▽杷木83・1%(73・5%)▽志波79・6%(51・2%)だった。

 市はこの日、松末、高木両地区の一部集落が認定されている被災者生活再建支援法に基づく「長期避難世帯」について、3月末を目標に解除申請の手続きを進めていることを明らかにした。 (横山太郎)

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