諫早干拓、開門巡り平行線 福岡高裁で差し戻し審開始 (2ページ目)

西日本新聞 社会面 金沢 皓介 鶴 善行

「漁獲増はでたらめ」

 「国の主張はでたらめだ」。福岡高裁で始まった国営諫早湾干拓事業を巡る請求異議訴訟の差し戻し審で、近年の諫早湾周辺での漁獲量増加を主張した国に対し、開門を求める漁業者側は怒りをあらわにした。

 国側は堤防閉め切り後に減少したエビやタイ、コノシロなどの漁獲量が近年増加傾向にあるとし、2010年の開門確定判決を「無力化」できる理由の一つに挙げる。21日の弁論でも「16~17年のデータを踏まえると、増加傾向は一層明確だ」と強調した。ただ、国が示したデータの中で、顕著な増加を示すのはエビ類だけだった。

 弁論終了後、記者会見した農林水産省の担当者は「(エビ類の増加で)漁獲量全体が増加に転じているという理解だ」との認識を示した。その上で、エビ類以外に顕著な変化がなくても「確定判決は漁獲量全体で判断するべきだと言っている」とした。

 佐賀県太良町の漁業平方宣清さんは国の主張を聞いて「頭に血が上った」という。「私たち漁民はずっと海で生活してきた。堤防閉め切りによって漁場環境が悪くなり、魚が取れなくなっていることを体で分かっている」と窮状を訴えた。支援者らも集まった弁論終了後の集会では「漁船漁業の今の状況は、本当に惨めで腹立たしい」と声を強めた。

 漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長は「現地を知っていればとても信じられない主張。デマ宣伝の類いだ」と突き放した。(金沢皓介)

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