タイ反軍政党に解党処分 憲法裁判決 若者支持、結党2年で幕

西日本新聞 国際面 川合 秀紀

 【バンコク川合秀紀】タイの憲法裁判所は21日、昨春の総選挙で第3党に躍進した革新系新党「新未来党」を解党処分とする判決を下した。タナトーン党首(41)による党への融資を違法と認定。タナトーン氏ら党幹部16人についても、今後10年間の政治活動を禁じた。

 同党は軍の政治関与禁止などを訴え、2018年春に結党。軍事政権を引き継いだプラユット政権を批判する「反軍」の象徴的な存在として若者らを中心に人気を集め総選挙で約80議席を獲得したが、約2年で姿を消すことになった。

 憲法の規定で、政治活動を禁じられる党所属国会議員11人以外の議員は他の政党に移ることができる。ただカリスマ的な人気を誇るタナトーン氏ら幹部の政治関与が禁じられる中で、今後も求心力を維持するのは難しそうだ。

 判決で憲法裁は、タナトーン氏が党に提供した融資約1億9千万バーツ(約6億7千万円)について、正当な資金提供とは認められず、1年間の上限額も超えているとして政党法に違反すると認定した。

 憲法裁はこれまでも、守旧派と敵対する元タクシン首相派政党を解党処分としてきた。昨年11月にも、タナトーン氏が総選挙に立候補した際に法律が禁じるメディア企業株の所有を続けていたとして、国会議員の資格を剥奪していた。

 タナトーン氏は21日、党本部での記者会見で「判決は不正だ」とした上で「これで終わりではなく、新たな闘いを始める」と述べ、政治改革を訴える新団体や教育問題に取り組む基金を設立する考えを示した。

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