養育費不払い…回収代行を支援 飯塚市が最大5万円補助

西日本新聞 一面 田中 早紀

 養育費の不払いが社会問題化する中、福岡県飯塚市は離婚相手からの養育費を受け取れず困窮するひとり親家庭のため、確実な受け取りを支援する事業に乗り出す。ひとり親家庭が養育費回収を代行する保証会社と契約を結んだ際に、保証料の一部を補助する。同様の取り組みは兵庫県明石市が昨年1月にモデル事業として始め、大阪市など全国に広がりつつある。

 飯塚市によると、保証会社は養育費の不払いがあった場合、ひとり親家庭に対して養育費を立て替えて支払った上で、離婚相手に請求し回収する。

 対象は公正証書や家庭裁判所での調停・審判などで養育費について公的に取り決めた世帯。サービスの年間利用には保証料として保証会社に養育費1カ月分相当を払う必要があり、市が初回に限り最大5万円を補助する方針。市議会3月定例会に提案する2020年度一般会計当初予算案に、関連費30万円を計上した。

 養育費の不払いは全国的な課題だ。厚生労働省の16年度「全国ひとり親世帯等調査」では、養育費を受け取っている母子家庭は24・3%で、平均月額は4万3707円。同省の「国民生活基礎調査」(同年)によると、大人1人で子どもを育てる世帯の貧困率は50・8%に上り、養育費不払いはひとり親家庭が貧困に陥る要因の一つと指摘されている。

 明石市のモデル事業は14世帯が利用。大阪市も昨年4月から類似の事業に取り組んでいる。いずれも保証会社が立て替え、離婚相手から回収する仕組みだ。

 飯塚市の補助事業について、福岡大法科大学院の小川富之教授(家族法)は「困窮する離別母子世帯にとってありがたい取り組み」と評価した上で「本来は国が取り組むべき課題。養育全般について、離婚前からワンストップで相談を受ける窓口の設置が必要」と指摘。母子家庭を支援するNPO法人リトルワンズ(東京)の小山訓久代表理事は「養育費確保は必須だが、ひとり親家庭を支援する現場との連携も不可欠。行政も企業も、補助金は税金から捻出されていることを忘れてはならない」としている。 (田中早紀)

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