立憲民主党 政権構想の具体化を急げ

西日本新聞 オピニオン面

 野党第1党の役割は、国会を中心に行政監視機能を発揮するとともに、政府と与党が政権運営に行き詰まったら、いつでも政権を担える準備を整えておくことだ。その使命を踏まえ、幅広い国民の共感を呼ぶような政権構想の具体化を求めたい。 

 3年前に結党した立憲民主党が党大会を開き、年間活動方針などを決めた。基本方針では「安倍政権に対する対抗軸を一層明確に示し、政権交代を現実の目標として、有権者に新たな政治の選択肢を用意する」と宣言している。最大野党としては当然の政治姿勢であろう。 

 安倍晋三首相が通算の首相在職日数で憲政史上最長の長期政権を築いてきた要因の一つは、野党が離合集散を繰り返して弱体化したからだといわれる。 

 その「1強」長期政権も、首相の公私混同が厳しく問われる「桜を見る会」疑惑や、カジノを含む統合型リゾート事業を巡る汚職事件で元副大臣が起訴されるなど「負の側面」が目立ち始めた。野党としては、いつまでも「多弱」に甘んじている場合ではないはずだ。 

 多くの野党は一様に安倍政権を批判しており、「この政権に終止符を打つ」ことが共通の政治目標であることは分かる。 

 問いたいのは、その先にどんな共通公約や基本政策を掲げる政権をつくろうとしているのか-ということだ。憲法や安全保障、経済政策など具体的で体系的な政権構想が求められるのは言うまでもあるまい。 

 立民の枝野幸男代表は「もう一つの選択肢」の理念として「支え合う安心」「豊かさの分かち合い」そして「責任ある充実した政府」を掲げる。次期衆院選を見据え、枝野代表直属のチームをつくり、政権構想の本格的な準備を始めるという。 

 結党時から「草の根」「ボトムアップ型」を看板とする政党である。ぜひ、党の関係者に限らず国民との対話を重視してほしい。そのためにも地方組織を充実させ、地方議会の議員を増やす活動の強化を求めたい。 

 代表選挙規則の制定も急ぐべきだ。政権党を目指す以上、首相候補となる党首の選び方がいまだに決まっていないのは、やはり疑問である。 

 立民は昨年の臨時国会から国民民主党などと共同会派を結成し、一定の成果を上げてきた。その共闘の実績を弾みに一つの政党にまとまろうとしたが、両党の合流は頓挫した。 

 党大会で立民は「門戸を閉ざすことなく各党会派と不断の努力を行う」と確認した。候補者調整や選挙協力も含めて、野党勢力を可能な限り一つに束ねる求心力や包容力もまた、野党第1党には求められている。 

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