「実はこの会場に、当時の隊員の方もいらっしゃってます…」…

西日本新聞 社会面

 「実はこの会場に、当時の隊員の方もいらっしゃってます…」。熊本県錦町に残る海軍地下基地跡の活用策を探るシンポジウムが先日、福岡市内であった。パネリストとして登壇した現地の資料館副館長は、発言の最後に言葉を詰まらせ、目尻をぬぐった。

 当地で防空壕(ごう)と伝えられてきた洞窟群は、子どもたちの度胸試しの場でもあった。そんな私の故郷に2年前開設された資料館の愛称は「ひみつ基地ミュージアム」。2児の母親でもある副館長には「親子が気軽に来館して平和を学べるように」と名付けた信念がある。一方で「戦争が楽しいものと誤解される」などの批判の声が絶えないという。

 戦争遺跡の保存公開を巡っては、歴史解釈の違いから多様な意見が寄せられるそうだ。いろんな圧力に耐えているであろう副館長と、遠路駆けつけ見守る元隊員。世代を超えて平和を語り継いでいく小さな町の挑戦に、私の胸も熱くなった。 (池田成史)

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