【動画あり】韓国で「パラサイト」特需 格差描き庶民の味ブーム

西日本新聞 国際面 池田 郷

 【ソウル池田郷】米アカデミー賞で外国語映画初の作品賞など4冠に輝いた映画「パラサイト 半地下の家族」の快挙に沸く地元韓国で、作品に登場した商品やロケ地巡りがにわかに人気を集めている。授賞式でポン・ジュノ監督の通訳を務めた韓国人まで“時の人”となるなどブームは過熱気味で、一部には戸惑いも広がっている。

 韓国では、作品で象徴的に使われた安くて手軽な韓国定番のB級グルメ「チャパグリ」の話題で持ちきりだ。甘辛い韓国風の即席ジャージャー麺「チャパゲティ」と、うどん風の辛い即席麺「ノグリ」を一緒にゆでて湯切りし、両方の粉末スープを混ぜれば出来上がり。作品では裕福な家庭の女性が家政婦に高級牛肉入りのチャパグリを作らせる場面があり、韓国社会の格差を描き出した。

 韓国紙によると、チャパゲティとノグリは受賞後、コンビニエンスストア大手での売り上げが前年の同じ時期に比べて61・1%増。インターネット上では作り方を紹介する動画の投稿が相次ぎ、製造元も日本語を含む十数カ国語の字幕付きで公開した。

 低価格ビール「フィライト」も恩恵を受けた商品の一つだ。一般的な銘柄より約4割安く、映画では主人公の一家が愛飲。売り上げが前年より21・4%増加したという。

 大型書店では映画の脚本と絵コンテのセット本が売り上げベスト10位入り。ポン監督の過去の作品にも脚光が当たり、動画ストリーミングサービスでは上位10作のうち5作を独占した。

 授賞式で、ウイットに富むポン氏のスピーチを当意即妙に英訳した韓国人通訳のチェ・シャロンさん(24)も注目の的だ。彼女がかつて通ったソウルの英語塾には子育て世代の問い合わせが殺到しているという。

 ロケ地となったソウル・阿〓(アヒョン)地区ではれんが造りの古い住宅が並ぶレトロな坂の街を数多くの若者が歩き、会員制交流サイト(SNS)には商店の写真などが拡散する。観光コース化する構想も持ち上がるが、地元ではもともと再開発計画があり、計画が頓挫しないか懸念する声が上がっているという。

 「半地下」で暮らす貧困層の生活を強調した海外報道への反発も広がる。4月に国会の総選挙を控え「国民的祝辞」を政治利用しようとする一部政党の動きも批判を浴びている。

※〓は「山ヘン」に「見」

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