高齢化や過疎、地域のつながりの希薄化、家庭生活の変化、退職年齢の延長…

西日本新聞 オピニオン面

 高齢化や過疎、地域のつながりの希薄化、家庭生活の変化、退職年齢の延長…。現代社会を取り巻く事情が、この「仕事」にも大きな影響を与えている

▼非常勤の国家公務員である保護司。犯罪や非行に関わった人の立ち直りを支え、再犯を防ぐのが主な仕事だ。民間の篤志家が保護観察という刑事行政の一翼を担うこの制度は明治時代に日本で生まれた

▼その保護司のなり手不足が深刻という。非常勤の国家公務員といっても無給のボランティア。人格や行動において社会的信望があり、熱意や時間的余裕を有し、生活が安定していて健康である-などの条件も付くので誰でもなれるわけではない

▼現職や元保護司の推薦で、定年退職者や地域活動に熱心な人、主婦、議員、宗教家らが選任されることが多い。任期は2年。平均年齢は65歳前後だ。保護区ごとに定数が決まっているが、全国平均で1割以上が欠員だ

▼過疎地では候補者がおらず、住民の交流が少ない都市部では適任者を探すのが難しいという。更生対象者と自宅で面談することもあり、家族が反対するケースも。60歳を過ぎて働き続ける人の増加も候補者不足の一因とか

▼近年、犯罪件数自体は減っているが、高齢者を狙った詐欺や子どもが被害に遭う事件は目立つ。地域の安全安心のためにも保護司の役割はもっと評価されていい。子育てが一段落した人など若い世代の力も貸してもらいたい。

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