学生も企業も…就活に「痛手」 新型肺炎で企業説明会中止相次ぐ

西日本新聞 福間 慎一 石田 剛 山本 諒

 新型コロナウイルスの感染拡大が、来春卒業を予定する九州の大学生の就職活動にも影響し始めた。3月1日の企業説明会解禁を前に、就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが全国で開く合同企業説明会の中止を決定。企業による説明会の中止や延期も相次ぐ。インターネットを使った面接を取り入れる動きもあるが、対面で直接やりとりできる機会が減る学生、企業双方に困惑が広がる。

 「思いがけない業種や企業と出合える可能性があるいい機会なのに…」。リクナビの合同企業説明会への参加を検討していた九州大の渡辺有規良さん(24)は嘆く。福岡市では3月2、3日にペイペイドームに420社超が集うはずだった。福岡大3年の小笠原麻結さん(21)は「ここで情報収集を本格化する学生も周りにいる。本当に困ると思う」。

 リクナビと同日程で、同市のマリンメッセ福岡などで合同企業説明会を予定するマイナビは「代替策も含め慎重に検討している」としている。

 通信アプリ大手のLINE(ライン)は、採用説明会を含めた2~3月のイベントをほぼ全て中止か延期にした。九州フィナンシャルグループ(熊本市)も企業説明会について「中止や延期を含め検討中」だ。

 九州では現在、福岡、熊本両県内で感染者が判明している。熊本市での感染確認を受け、崇城大(同市)は3月3~5日に学内で約300社を集めて開く予定だった企業説明会を中止する方針。西南学院大(福岡市)や福岡大(同市)では福岡市で感染者が確認された2月20日以降、学内でセミナーや個別説明会を予定していた企業から辞退の申し出が出ているという。

 学生の「売り手市場」とされる中、自社をアピールするチャンスが減る地場企業も対応に苦慮。リクナビの合同説明会に参加予定だった自治体向けサービスを手掛けるホープ(同市)の担当者は「大きな痛手」と漏らす。ウェブを使ったセミナーや採用時期の変更も検討している。

 西部ガス(同市)は3月3、4日に東京と大阪で予定していた企業説明会を中止し、説明映像をネットで配信する。11、12日に福岡市で開く予定の説明会も同様の対応を検討中だ。

 オンラインの面接サービスを提供するスタジアム(東京)は、1月28日から採用活動を行う企業向けにサービスを無償提供。2月17日以降の利用申し込みは前週比約8倍ペースで、リクナビが中止を決めた20日以降は1日半で約80件の問い合わせがあったという。

 大学側は学生への支援体制を強化する方針。崇城大就職課の担当者は「情報がきちんと行き届くように手厚いフォローをしていきたい」と話す。(石田剛、山本諒、福間慎一)

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