別府赤銅御殿メモリアル展 白蓮迎えた往時しのぶ

西日本新聞 大分・日田玖珠版 稲田 二郎

 福岡・筑豊の「炭鉱王」と呼ばれた伊藤伝右衛門(1861~1947)が歌人、柳原白蓮(1885~1967)を妻として迎える際に大分県別府市青山町に建てた別邸を振り返る「別府赤銅(あかがね)御殿メモリアル展」が、別邸跡地にある「あかがね青山鍼灸(しんきゅう)治療院」で開かれている。往時の豪華な建物を記録した写真や実際に使われていたソファ、白蓮が歌をしたためた色紙や短冊など貴重な資料約80点を展示している。

跡地の鍼灸院で写真や色紙など80点

 伊藤は福岡県飯塚市の本邸に加え、福岡市・天神と別府市に別邸を建設した。別府市では1919年に完成。1万1500平方メートルの敷地にヒノキなど高級材をふんだんに使った9棟が並び、庭園を含めて完成までに3年を要した。白蓮を中心とした文化サロンとして多くの文化人が訪れ、白蓮が伊藤と別れて再婚した宮崎龍介と出会った場としても知られる。

 終戦後の米軍の接収・返還を経て「ホテル赤銅御殿」となったが、79年に解体された。往時をしのぶものは現地には白蓮の歌碑しかなく、地域の歴史を語り継ごうと、跡地で治療院を運営するセントエイブル福祉会(別府市)がメモリアル展を企画した。

 展示品は、別府の文化資料などを収集する平野資料館(別府市)の平野芳弘館長(68)が集めた白蓮直筆の色紙や短冊▽赤銅御殿で使われていたソファ▽白蓮の義兄に当たる柳原義光の書や掛け軸▽白蓮の発行本-など。当時の別府の様子がうかがえる昭和から大正にかけてのポスターなども展示している。

 人々を癒やした温泉は今も湧いており、治療院でマッサージ(有料)を受ければ入浴も可能という。福祉会の羽生正宗代表理事(66)は「展示会で地域が盛り上がり、活性化につながればありがたい」と話している。

 メモリアル展は来年2月まで1年間開催。午前10時から午後4時。入場料は300円(高校生以下無料)。第1、3週の火、日曜定休。問い合わせ=0977(75)8899。 (稲田二郎)

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