鉄道史と旅情伝え 直方市の愛好家コレクション展

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 蒸気機関車(SL)の撮影、記念乗車券の収集や列車の旅を人生の友として生きた直方市の鉄道愛好家、故遠藤伸治さん(1940~2019)の鉄道関連コレクションを公開する企画展が同市石炭記念館で開かれている。石炭輸送を担って生まれた筑豊の鉄道史を表すとともに、レールの響きが聞こえるような旅の味わいを伝える約200点を展示している。

SL写真、記念切符など200点

 遠藤さんは郵便局に勤務しながら鉄道の趣味を楽しみ、昨年7月に死去。遺族が膨大なコレクションを同館に寄贈した。その中から今回、一部をピックアップ。八尋孝司館長は「鉄道や旅に対する愛情・愛着を感じる。愛用のカメラでSLを追い、周到に計画して旅を楽しんでいた。遠藤さんの思いを引き継ぎ、大切にしていきたい」と話す。

 企画展は、題して「鉄道記念乗車券の世界」。遠藤ワールドを八つのコーナーに分け、列車の乗り継ぎを含めた詳細な旅の行程を収めたファイル、愛用の一眼レフカメラとレンズ、撮影日時や場所、列車番号を付けてSLの勇姿を収めたアルバム、新聞記事の切り抜きなどで始まる。

 国鉄機関区があり、運炭列車の基地だった直方駅構内に連なる貨車や、方向転換のため転車台に乗ったSLのパネルは「鉄道のまち・直方」を表す。1891(明治24)年の若松-直方間の開業から始まった筑豊本線が1971年に迎えた開通80周年の同駅記念乗車券は3枚一組で、石炭を運んだ遠賀川の川ひらた(船)や同館近くに移設予定の「坑夫の像」などが描かれ、炭鉱史を記録する。

 また、29年12月まで筑豊本線の一部だった上山田線(飯塚-豊前川崎)が国鉄民営化後の88年に廃止されるのに伴って発行された記念入場券は、全10駅の硬券が付いた豪華版。かつて「明星」や「あかつき」が筑豊本線を走ったブルートレインのコーナーもある。

 石炭記念館は筑豊本線に沿って立つ。同線で国鉄機関助手として夜行急行「天草」をディーゼル機関車DD51でけん引した経験を持つ八尋館長は「夜のしじまの中で汽笛が響き、旅情があった。私自身の思い出がよみがえる。遠藤さんの世界でともに旅をし、人生のフィルムの一コマ一コマを巻き戻してもらえたら」と呼び掛ける。

 3月8日までの午前9時~午後5時で、一般100円ほか。月曜休館。同記念館=0949(25)2243。 (安部裕視)

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