完成まで2年以上…「ソンバーユ」の薬師堂 こども記者が取材

西日本新聞

 「馬油といえばソンバーユ♪」というCMを聴いたことはありませんか? 実は、ソンバーユは日本で初めて馬の油を使った化粧品。顔や体に塗って肌を優しく守るそうだ。今回はソンバーユや、梅を使った健康食品「梅雲丹」を販売している「薬師堂」(福岡県筑紫野市)に、こども記者が取材に行きました。

【紙面PDF】馬の油がお肌を守る

 馬油のすごさに気づいたのは、薬師堂グループの社主だった直江昶さんだった。1948年ごろのこと。直江さんは工場で手に大やけどを負ってしまった。戦争に負けたばかりで薬がなかったので、近所の人からもらった馬の脂肪を塗ったところ、効果を感じたのだそうだ。たくさん研究をして、71年に馬油を食用として販売。88年には肌を守るための化粧品として日本で初めて認められた。

 ソンバーユを製造する工場も見学した。冷凍で保管されている大きな馬の脂肪をミンチ状にしてから溶かす。それを肉と油に分けたり、色を和紙で取ったりする工程があった。さらさらになった馬の油は、大きなタンクにためて2年間大切に保管しておく。一部が固まって自然に液体と固形に分かれ、液体ソンバーユやせっけん、クリーム状タイプのソンバーユになるそうだ。タンクをのぞくと、表面に魚のうろこのような形の結晶が浮いていた。

 なぜ機械を使わずに2年間もかけるのだろうか。取締役の高橋光晴さんは「たくさんの時間と人の手をかけて自然に分かれるのを待ったほうが、質が良くなるからです」と教えてくれた。独自に開発した真空の装置で、においを取ったり、さらにきれいにしたりして完成だ。ソンバーユは年間約140万本が出荷され、ドラッグストアや通信販売、直売店などで売られている。無添加なので口に含んでも大丈夫だそうだ。

 液体のソンバーユに好きな香りをつける体験もさせてもらった。理科の実験のようで楽しかった。ラベルのデザインも工夫が必要だという。しかし「あまり派手に作りかえると、長年使っている人が分からなくなってしまう」と、高橋さんは昔ながらのデザインの大切さも話してくれた。

★わたしたちが取材しました

福岡市・宮竹小5年 佐藤希美記者 直江さんは大やけどを乗り越えて、馬油を多くの人に届けようと努力した偉大な人だったんだなと思った。

佐賀県唐津市・成和小6年 立川日彩記者 いつも見かけるソンバーユが、たくさんの時間と手間をかけて作られていると知って驚いた。

福岡市・香椎下原小6年 山口百花記者 試食させてもらった梅雲丹は、少しすっぱくて梅干しより甘かった。お店はとても落ち着いた雰囲気だった。

福岡市・筑紫女学園中2年 大和杏彩記者 馬油などの身近な化粧品にも長い歴史とたくさんの人の努力があると知った。これからは商品の背景にも注目したい。

福岡県大野城市・大野南小5年 行藤大凱記者 何年もかけて作ってくれた人たちのことを考えながら、ソンバーユを大事に使っていきたいなと思った。

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