クヌギ林育ちの滋味 宮崎・延岡の「自然養鶏卵と鶏肉」

西日本新聞 夕刊

 松原農園は、宮崎県延岡市北浦町にある家族経営の小さな養鶏農家だ。現代養鶏の主流は大規模飼育による効率的な経営だが、松原農園はニワトリを究極の自然体に近づけたいと、くず米や麦、魚のアラなどの自家発酵飼料や野菜を餌に、抗生物質など一切使わず、広い鶏舎とクヌギ林の中で400羽を育てる。

 「地元の人に、野菜を分けてもらったり、卵をお届けしたり。大量生産できず、大きくもうかることはありませんが、安心安全な養鶏と農業を通じて、皆が支え合い、つながり合う仕組みを取り戻せたら」と松原学さん(57)。農産物を介して地域の消費者と生産者が直接結び付く、地域支援型農業(CSA)が理想と話す。

 早朝の鶏舎で産みたて卵を分けていただいた。まだ温かく黄身はレモン色。しょうゆを少し垂らし、卵かけご飯にすると甘みが引き立つ。

 長く福岡で働き、週末は郊外で里山や棚田を守る活動に取り組んだ松原さん。故郷の両親が高齢で米作りをやめると聞き、2012年に帰郷。妻と5歳から13歳の息子3人、ヤギ、犬と暮らし、自然体験や民泊も受け入れる。

 お客に、卵と一緒に手作りの農園便りを届けてきた。昨年60号を超え、書籍『いのちき』(石風社)にまとめた。

 卵は少量生産のため予約をお勧めする。鶏肉はやや硬めだが、深い味わいがある。

 (フリー記者・寺嶋悠)

 ▼松原農園 卵は6個300円。鶏肉はもも4枚、むね4枚、手羽先12本が各1000円、まるごと1羽2000円。ささみや砂ずりなどもある(税込み、送料別)。松原農園=0982(45)2356。

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