客引き、初の実態調査へ 北九州市 悪質事例への対策探る

西日本新聞 北九州版 山下 航 白波 宏野

 北九州市小倉北区の繁華街でマナーの悪い客引きが絶えない問題で、同市は初めて実態調査に乗り出す。独自の条例で取り締まる自治体視察や、有識者の検討会を開き、悪質な客引き防止を目指す。2020年度一般会計当初予算案に関連予算200万円を計上する。

■いたちごっこ続く

 「居酒屋お探しですか」「いい店紹介できますよ」-。通行人を飲食店に誘う客引きが集中するのは、同区魚町地区や京町地区の繁華街。道路の真ん中に複数の客引きがたむろし通行人の妨げになるなど、マナーの悪さが目立つ。

 店に入ろうとした人を強引に呼び止めて他店に連れて行く悪質なケースもあり、同区の繁華街で飲食店を営む男性は、「店同士の足の引っ張り合いで、街のイメージが悪くなる」と嘆く。

 市は2018年8月、小倉北署と複数の商店街組合とで客引き適正化の協議会を結成、月1回のパトロールや、客引きを雇い飲食店に派遣する事業者を小倉北署員が口頭で注意するなど対策を講じてきた。

 協議会では、交差点でのたむろや他店前での客引きを禁じる自主ルールも作成。自店前でのみ客引きを行うよう働き掛けるが、原則飲食店の客引きを禁じる条例はなく、「モラル頼み」になっているのが現状だ。

 同署によると、昨年寄せられた管内の客引きに関する通報は110番を含めて約300件で、協議会が発足した2018年の約460件からは減少。市担当者は「多少状況は改善したものの、パトロールの時だけ姿を消すなど複数の客引きグループとのいたちごっこが続いている」と話す。

■「飲食店に規制を」

 県迷惑行為防止条例は、風俗店やキャバクラの客引きを禁止するが、飲食店の客引きは通行人について回るなど過度な勧誘をしない限り、適用されない。

 協議会や地元商店主からは、飲食店も対象に加える県条例改正や、市独自の条例制定を望む声が上がる。一方で、客引きをしたというだけで一律に取り締まってしまうと、協議会の自主ルールに従って客引きをする飲食店にも影響が及ぶため、関係者も頭を悩ましているのが現状だ。

 市の担当者によると、飲食店の客引きを禁止する条例を施行している自治体でも、悪質な事例を一掃できていないケースもあるといい、視察をして課題を探りたいとしている。

 実態調査では、客引きにあった人らを対象にしたアンケートを実施予定。大学教授らで組織する有識者検討会も開き、約半年後に対策をまとめる。市担当者は「マナーの悪い客引きを減らすための効果的な手段を模索する」としている。 (白波宏野、山下航)

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