「そこまでやる?と思われるかも」ごみ38.5%まで減少 福岡・大木町 (2ページ目)

西日本新聞 くらし面 佐藤 弘

 むろん、大人に対する働き掛けも続けられている。町は年2回、行政区の区長や、地域のごみ分別をお手伝いする委員らを対象に講習会を開催。そこで分別の必要性を掘り下げたり、全国の先進事例を学んだり、町民が実践している暮らしの知恵を生かした分別方法を伝え合ったりする。

 「外から見ると、そこまでやる?と思われるかもしれないけど、私たちには、もうそれが当たり前。ましてや小さい頃から分別が習慣付いたら、逆になんでよそはやらないの?と思うんじゃないですかね」。福土地区の主婦田中昌子さん(61)は言う。

 政策的な誘導もある。ごみを分別して減らした方が得になるような仕組みだ。

 例えば、生ごみ分別が根付き、可燃ごみの量が半減した11年に実施したのが可燃ごみの収集袋の値上げ(50リットル60円→35リットル60円)。一方で、再資源化の仕組みを整えたプラスチックや紙おむつの収集袋は、低額(それぞれ35リットル10円、15リットル15円)に抑えた。

 地域で分別したガラスや小型家電などの資源物は無料で引き取る。古紙や古布などは町内33カ所に常設回収場所を設け、回収量に応じて町が助成金を出す。生ごみ回収たるの中の異物混入率が0・5%以下の地区には、町内の温泉施設の無料入浴券を配布するなど、住民の取り組みに報いる仕組みが構築されている。

 その結果、18年度の可燃ごみ回収量はピーク時の38・5%まで減少。逆に資源ごみのリサイクル率は67・3%に。無駄の多い暮らし方を見直し、子の世代に付けを回さない健全な町づくりを表明した「大木町もったいない宣言」(08年)の精神は、こうして次世代に受け継がれつつある。

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 大木町の一連の試みは、周囲の自治体に波及効果をもたらしている。次回は、その広がりに着目したい。(佐藤弘)

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