中学生戦士、病気乗り越えヒーローに 佐賀市の「ハルレンジャー」

西日本新聞 佐賀版 穴井 友梨

 生後すぐに発症した病気を乗り越え、ご当地ヒーローとして活動している中学生がいる。佐賀市久保田町の思斉館中学部2年、藤井陽斗(はると)さん(14)。悪者と戦う「太陽戦士ハルレンジャー」に扮(ふん)して家族や先輩ヒーローたちに支えられながらショーへ出演し、見に来る人々を楽しませている。

 「頑張れ! ハルレンジャー!」。9日、同市で開かれたショー。陽斗さんはご当地ヒーローで師匠の「熱風! SG戦士なつレンジャー」や、先輩の「食育戦士G(がばい)ウマカバン」と肩を並べて出演していた。アクションを繰り広げ、2本の刀で必殺技を披露。子どもたちが大きな声援を送った。

 出生直後のくも膜下出血で、病院からは「目覚めるか分からない」と言われた。回復後も学習障害が残り、小学校低学年までは置かれたボールを蹴るなど、定められた動きが自由にできないこともあった。

 体調も崩しがちだったが、仮面ライダーシリーズや戦隊ヒーローが大好きで、スーツアクターを夢見た。なつレンジャーとして活動している市職員の夏秋俊男さん(42)に、父の文夫さん(45)が練習の見学を相談した。すると夏秋さんが「見るより、体で覚えたら?」と参加を提案し、2019年2月に弟子入り。3月に敵役でショーに初出演し、11月にはハルレンジャーとしてデビューした。

 公民館などでの全体練習のほか、家で練習用動画を見てイメージトレーニングを重ねる陽斗さんを家族が支える。赤と黄色の衣装は文夫さんが仕事の合間に3カ月ほどかけて手作り。姉のあやめさん(24)もショーの前には手紙を贈り、ハルレンジャーの絵を描いて無料通信アプリLINE(ライン)のスタンプを作るなど応援を続けている。

 ショー終了後、子どもたちとの記念撮影など積極的にファンサービスする陽斗さんを見守った母の理恵さん(47)は「多くの人に支えてもらい、一回一回成長しているのを感じる」と感慨深げ。文夫さんも「スーツアクターはここまでずっと思い続けた夢なので、これからも折れずに突っ走ってほしい」と話した。

 師匠の夏秋さんは「演じるたびに成長し、ヒーローらしくなっている」と評価。ウマカバンを演じる久保匡史さん(35)も「ミスがあってもカバーできて必殺技も決まった。すごく頑張った」とねぎらう。

 陽斗さんは笑顔で言い切った。「たくさんお客さんが見に来てくれてうれしかった。かっこいいヒーローになって、いろんなショーに出たい」(穴井友梨)

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