ブドウ丸ごと「ラグー」3月発売 直方の農家が多用途ペースト商品化

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 福岡県直方市のブドウ農家が巨峰とマスカット系の品種「翠峰」を煮込んでペースト状にした無添加のラグー「ぶどう110(いちいちまる)」2種を開発し、3月から販売を始める。生産農家が農産物を加工し販売も手掛ける、同市の「6次産業化」のモデルケースともなり、直方発のブランド商品として首都圏も視野に百貨店や高級スーパーなどでの取り扱いを目指す。

 農家は1・2ヘクタールで栽培を手掛ける同市下新入の「ほっけじ岡松ぶどう園」。市農産物ブランド化推進協議会会長を務める岡松秀樹さん(68)が、2年前から市場に出せない規格外品を活用して「6次化商品」の開発に着手し、ジャムにしたりハチミツを入れたりと試作を繰り返して無添加の「ぶどう110」を世に問うところまで来た。

 商品名は略称。生産者の思いを伝えるため、正式名称に110文字を費やした。「直方市でぶどうを七十年以上作り続けているプロ中のプロのぶどう農家岡松ぶどう園が、砂糖や保存料など一切使用せず皮もそのまま一瓶に約二房分丸ごと使って、ぶどうの本当の美味(おい)しさを味わえる、一〇〇%無添加ぶどうのラグー一四〇g」。1月下旬に福岡市で開かれた展示商談会に出品し、百貨店など十数社から引き合いがあるなど好評を得たという。

 「ラグー」とは「煮込み」の意。田川市でつくだ煮や煮豆を製造する専門業者に加工を委託し、熟練の「煮込み」の技で甘みと酸味のバランスが取れた味に仕上がった。そのままオードブルに使ったり、ソースのベースとして肉料理に添えたりと用途は幅広く、プロのシェフがレシピやさまざまな料理との相性を研究しているという。

 瓶詰めの「ぶどう110」1本(140グラム)にブドウ2房分が濃縮され、濃い紫色で巨峰100%使用の「ノアール」は皮入りでコクがあり、ベージュ色で翠峰100%の「ブラン」は果肉の粒入りでより甘みが強い。今月末から本格的に製造を開始し、1本1200円(税別)で販売。当面は通信販売で対応する。

 岡松さんは「地域の農家で協力し合って原料を確保し、量産できる体制もつくりたい。『ぶどう110』は第一歩。これをきっかけに、直方産農産物でいろいろなブランド品づくりを目指していきたい」と意気込む。市もふるさと納税の返礼品に加える検討を始めた。 (安部裕視)

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