違憲裁判は再審の対象外 菊池事件国賠判決 請求条件に明記なし (2ページ目)

■有罪の証拠に浮かぶ疑問 弁護団、自白や証言「信用できぬ」

 菊池事件の国賠訴訟を起こした元患者らが冤罪(えんざい)を訴え再審を求めてきたのは、死刑となった男性が特別法廷で裁かれていたことだけが理由ではない。有罪を導いた証拠にも、見過ごせない疑問点があるためだ。

 有罪を支えた主な証拠は(1)男性の自白(2)「被害者を殺害してきた」と男性から聞いた、とする親族2人の証言(3)凶器となった短刀-だ。弁護団によると、男性は逮捕時に警官から銃撃されて負傷。犯行を認めたのは逮捕当日と翌日だけで、その後は一貫して無実を訴えた。自白した凶器は「草刈り鎌」で、確定判決の認定とは異なる。弁護団は「殺害を認めたのに、凶器だけうそをつくことなどあるのか。負傷中の取り調べにも問題があり、到底信用できない」と指摘する。

 取り調べに何度も応じた親族2人の供述は、その都度変遷した。伯父が当初「ドス」と話した男性の所持品は「匕首(あいくち)のようなもの」になり、ついには「はっきりしない」。大叔母は「切れもん(刃物)だろうと思っていた」から「棒のような物」になっている。

 虚偽の自白や誤った目撃供述が冤罪を招いてきたことは、いずれも再審無罪となった「足利事件」や「布川事件」が証明してきた。

 被害者に残された傷は26カ所にも上り、現場には大きな血だまりがあったが、近くの小屋で見つかり凶器とされた短刀からは血痕が検出されていない。確定判決の認定も「(近くの池で)凶器を洗ったと認められないことはない」とあやふやだ。馬場啓・弁護団事務局長は「凶器を池に捨てずに血痕が出ないほどきれいに洗浄し、わざわざ小屋に置いておくという筋立てはあまりに不自然だ」と批判、これらを再審を求める根拠としている。 (中原興平)

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