違憲認定「実質勝った」 菊池事件判決 高齢の原告もどかしさも (2ページ目)

西日本新聞 社会面 和田 剛 山下 真

■「特別法廷を負の教訓に」

 特別法廷を「違憲」と断じた26日の熊本地裁判決について、九州のハンセン病元患者や家族からは一定の評価の声が上がる一方、複雑な思いも漏れた。

 「差別に満ちた裁判を、司法も国民も知らんぷりだった。判決は当然の内容だ」。国立療養所星塚敬愛園(鹿児島県鹿屋市)の入所者自治会長、岩川洋一郎さん(83)は強調する。特別法廷の審理では裁判官や検察官がゴム手袋をはめて、箸を用いて証拠を扱った。「特別法廷を負の遺産として、後世の教訓にしないといけない」

 元患者家族への差別被害を認めた昨年6月のハンセン病家族訴訟の原告、奥晴海さん(73)=鹿児島県奄美市=は、無実を訴えながら死刑となった男性の遺族が、差別を恐れて再審請求できないことに思いを寄せる。「男性が犯人扱いされているのに、家族は今も声を上げることもできない。二重の苦しさがあり、ほかの家族以上につらい気持ちで生きてこられたのでしょう」と声を震わせた。

 ハンセン病を巡る従来の司法判断は、隔離政策が明白に違憲となる時期を「遅くとも1960年」(2001年熊本地裁判決)としていた。今回は1952年に起きた菊池事件の審理まで「違憲」と踏み込んだ。

 菊池恵楓園の退所者、中修一さん(77)は「一定の評価はできる」と受け止める。ただし、判決は再審について「直ちに再審事由があるとは認められない」とした。

 中さんは「遺族は顔や名前を出せないので、司法が『当事者は出てこられない』と足元を見ているように感じる。再審請求の道が閉ざされたわけではないが、今後、どれだけ時間がかかるのか」と語った。 (山下真)

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