【動画あり】国内最古「炭鉱電車」廃線へ 5月にも三井化学大牟田工場

西日本新聞 社会面 吉田 賢治

 福岡県大牟田市の三井化学大牟田工場が、JR鹿児島線と工場を結ぶ三井化学専用鉄道(約1・8キロ)を5月にも廃線にすることが分かった。近く正式発表する。前身は旧三池炭鉱専用鉄道で、100年以上前の「炭鉱電車」が今も走る。三池炭鉱の鉄道敷跡の一部は世界遺産に登録され、三井化学専用鉄道の電気機関車は現役では国内最古で人気が高い。同社は地域の記憶として残そうと、メモリアル事業も検討している。

 関係者によると、大牟田工場は三菱ケミカル福岡事業所(北九州市)から貨物列車で届く硝酸を運ぶために専用鉄道を主に利用してきた。その三菱ケミカルが4月末での硝酸の生産停止を決定。入手先の変更に伴い、船で着く硝酸を三池港(大牟田市)からトラックで運ぶことになり、専用鉄道の廃線を決めた。

 旧三池炭鉱専用鉄道は、大牟田市や熊本県荒尾市に点在する坑口と石炭積み出し港の三池港を結び、支線を含む総延長は約18・5キロに及んだ。一時は炭鉱マンや家族を運ぶ旅客列車も運行。しかし炭鉱の衰退に伴い路線を縮小、1997年の閉山とともに本線(約9・3キロ)は廃線となった。

 三井化学は本線の宮浦駅から分岐しJR線に接続する「旭町支線」を電気機関車とともに譲り受け、運行を続けてきた。2015年には三池炭鉱専用鉄道敷跡の南側(約5・5キロ)が宮原坑や万田坑、三池港とともに「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録された。世界遺産区間は大牟田、荒尾両市が整備保存するが線路はなく、枕木を撤去した箇所も多い。

 三井化学専用鉄道の「炭鉱電車」は5両で、最古の車両は1915年製。JR大牟田駅北の操車場で貨物車と連結、宮浦駅まで毎日2往復している。国道208号の旭町1号踏切は、鉄道ファンの人気撮影スポットだ。 (吉田賢治)

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