「対応は白紙」「プチパニックだ」…突然の休校要請に混乱の教育現場

西日本新聞 社会面

 新型コロナウイルス感染拡大の影響は全国の教育現場を“直撃”した。安倍晋三首相が27日に突如表明した、全ての小中高校や特別支援学校への臨時休校要請。「急に仕事を休めない」「子どもの預け先は」「卒業式や入試はどうなる」…。前代未聞の政府発表に、保護者は戸惑い、学校関係者は対応に追われた。

 学校現場に衝撃が走った。

 27日夕、校外の会議に出ていた福岡市の小学校長は教員や保護者らからの問い合わせが相次ぎ、急ぎ学校に戻った。「何をどうすればいいのか判断できない」。北九州市のある市立中では、2019年度の通知表や新年度のクラス編成などを準備している。男性教諭は「正直困る」。授業日数への影響を懸念する同僚も少なくないという。

 「大ごと。影響は計り知れない」。熊本県内の小学教頭(58)は、感染拡大防止へ卒業式の来賓に出席お断りの文書を作っている最中に事態を知った。「学習面の仕上げや卒業式、新年度への準備と3月は学校にとって総まとめなのに」

 福岡市のある中学校は卒業式を30分に縮めると取り決めたばかり。高校入試に向け、3年生の指導も残る。校長は「どう対応するか全くの白紙。教育委員会の対応を待つしかない」と不安を募らせる。

 福岡県の県立高では3月10日に高校入試が実施される。男性教諭は「そもそも入試自体、無事に実施できるのか」と案じた。

 全国一律の要請に複雑な表情を浮かべる教育関係者も。佐賀市の女性教員は「佐賀県内では感染者が確認されておらず、想定以上のことになった。勉強の追い込み時期なのに最悪のタイミング」。同県内の男性中学教諭(49)は「子どもの居場所や職員の勤務など分からないことだらけ。要請したという政府の口実作りに思える」と突き放す。

 福岡県内の小学教諭は「状況に鑑みれば方針はよいと思う」と冷静な受け止め。一方で、「休校で給食がなければ食に困る児童も出てくる。家庭環境を見守りたい子もいるので心配」とも。

 教育委員会も対応に追われ、福岡市教委職員は「プチパニック状態」と興奮気味に話した。

 福岡県内の私立高は28日、管理職による会議を開く。男性教頭は「臨時休校にする場合、3月分の授業時間をどこで確保するのかが一番悩ましい。納めてもらっている授業料をどう取り扱うかの議論も必要になってくる」と打ち明ける。

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