脱プラ素材をおしゃれに カフェやレストラン「できることから」

西日本新聞 くらし面 川口 史帆

 海洋汚染への影響が心配されるプラスチックごみを削減しようと、流通や外食大手などが紙製などの代替品を扱い始める中、小さな個人商店でも「できることから始めよう」とあの手この手で工夫を凝らしている。脱プラ素材をおしゃれと結びつけて活用する動きもある。

 昨年10月に開店した福岡市中央区薬院のイタリア料理店「チェソーロアモーレ」では麻の茎のストローを使っている。店長の中野秀明さん(51)が、工芸品用の材料を短く切って自作した。使用後は洗浄して繰り返し使う。口に触れる部分を紙やすりで削っているので、口当たりも滑らかだ。

 中野さんはもともとミシュランガイドにも掲載された東京の有名店のオーナーシェフ。無添加やオーガニック栽培の食材に徹するため、福岡に移住した。「体にも自然にも優しい食事を提供する」。ストローを替えたのは、そんな思いがあるからだ。

 「小さな店でも、飲食店は家庭よりたくさんプラごみを出している。そんな状況を少しずつ変えていきたい」と中野さんは語る。

 同市西区今宿のハーブティー専門店「フラワーティー+カフェ」では、3月から茶葉の包装に紙製パッケージを使う。乾燥や香りを保つために従来はプラ製の袋を使っていたが、防湿性のある紙を使うことで、茶葉が湿らないようにした。デザイン性にこだわり、絹糸で縫って封をしている。

 店主のKANAME(かなめ)さん(35)は昨年、麦わら製ストローを取り寄せた際、大量のプラ製緩衝材で包装されていて、環境に良い物を使いながらごみを生んでしまうジレンマを感じた。商品を通してそうした矛盾を解決しようと試行錯誤を続けている。

 今は自家栽培のレモングラスで手編みのティーバッグを試作中だ。「環境に優しいというのを前面に出さずとも『おしゃれでかわいい』と進んで手に取ってもらえる代替品を店に並べていきたい」と話している。

食品トレー回収・再利用 グリーンコープ 1999年から台所のごみ削減

 環境保護への意識がある事業所は、早くからプラスチックごみ削減に取り組んでいる。

 西日本の15生活協同組合から成るグリーンコープ連合(本部・福岡市)は1999年から、使用済みのプラ製食品トレーを新しいトレーに作り替えるリサイクルシステムを実施している。プラ製容器を使った商品は極力減らしているが、肉や魚は衛生上使わざるを得ない。それなら確実に再利用し、ごみ削減につなげようという試みだ。

 トレーを各家庭で洗って乾かしてもらい、次回の配達時に回収。包装容器製造会社エルパッケージ(福岡市東区)が粉砕して樹脂に戻し、同じトレーへと再加工して食品会社に発送する仕組みだ。2018年には出荷量の44%(89トン)を回収し加工した。10年からは宅配時に商品を入れるポリ袋も回収し、別の会社で新しい袋に再生している。

 エルパッケージの内田誠社長(70)は「手間はかかるが、原料代の節約にもなる。結果的に環境負荷を減らせているなら喜んで協力を続けたい」と話す。こうしたシステムは会員制で消費者からの回収が容易で、取引業者の協力も得やすい生協だから可能といえる。

 一方、スーパーやコンビニで買い物をする多くの消費者が出す国内のプラごみ(18年は891万トン)の大半は焼却処理されるか、火力発電の燃料などに利用されるかで、物品に作り替えて再利用するリサイクルは少ない。環境省は30年までに使い捨てプラごみの排出量を25%削減する目標を立てている。

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