思い出のレストランが“復活” 大雨で廃業…中華料理店に 佐賀

西日本新聞 佐賀版 古賀 英毅

「武雄市を元気にしたい」

 佐賀を襲った昨年8月の記録的大雨から半年。床上浸水して閉店した武雄市のレストランに新たな看板が掲げられる。その名は「蘭蘭」。福岡県宇美町から移住した小玉将貴さん(38)と妻の由理さん(30)が4月、中華料理店をオープンする。再び水害に遭う恐れもあると忠告されても出店を決断。佐賀県出身の由理さんは「幼いころから慣れ親しんだ店を残し、武雄を元気にしたい」と願う。

 レストランは、長崎自動車道武雄北方インターチェンジ近くの「TIFFANY(ティファニー)」。1979年に開店し、地元の人たちに親しまれてきた。

 由理さんも、その一人。幼いころから旧芦刈町(現小城市)の実家から武雄市の祖父母宅に向かう途中に立ち寄り、ティファニーのファンに。長女を身ごもり、妊婦検診で武雄市を訪れたときにも三角屋根の建物に吸い込まれた。「どこか懐かしく、ゆっくりできて雰囲気が良かった」

 開店40年を迎えた昨年8月28日。大雨で店内に水が入り込んだ。1990年の水害を乗り越えてきたオーナーの杉原光さん(65)照美さん(67)夫妻。だが、今回は後継者がいないこともあって営業再開を断念した。

 閉店のニュースを聞いた小玉さん夫婦。そのころ将貴さんは福岡県内の中華料理店で働いていたが、独立を考えていた。その足は、由理さんの心を捉え続けるティファニーに向かった。

 昨年10月、将貴さんが「この店を譲ってほしい」と頼むと、泥のかき出しも終えていない杉原さん夫妻は「やめた方がいいよ」。親や友達からも思いとどまるように言われた。それでも思いは変わらなかった。「マイナスの事は考えなかった。いろんな人の記憶にある建物を残して開業したい」。今月上旬、三角屋根の建物の2階に転居した。

 1階の店の厨房は改修したが、建物の外観は色あせた部分の補修にとどめる。新たな店名の「蘭蘭」は愛娘の蘭ちゃん(1)からとった。「武雄の元気の素になりたい」。将貴さんは4月6日の開店を心待ちにする。(古賀英毅)

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