「混乱のしわ寄せは子どもに」 “宿題”山積みの一斉休校

西日本新聞 総合面

成績評価、授業は未消化…

 安倍晋三首相が唐突に表明した臨時休校の要請を受け、九州の各教育委員会は慌ただしく休校への対応に追われた。要請通りに休校すれば週明けから春休みまで休みとなり、28日が事実上の「学年最後の日」。準備期間も十分に取れない「見切り発車」で、やり残した授業への対応や成績評価など課題は山積。「学校混乱のしわ寄せは結局、子どもたちにいく」。大混乱の教育現場には戸惑いや憤りが広がっている。

 「予想もしていない要請で驚いた。もう少し準備期間があれば…」。福岡市中央区の春吉小はこの日が最後の登校日。斎藤育人教頭(55)は、突如訪れた3学期の“打ち切り”に困惑を隠さなかった。

 教員らは休み期間中のプリントの用意や1年間を振り返る授業の準備におおわらわ。授業は未消化で、やり残したテストもある。成績評価もこれからだ。斎藤教頭は「通信表をどう渡すのか現段階では分かりません」と頭を抱えた。

 大きな課題は積み残した授業への対応だ。3月2日から一斉休校に入る福岡市などは、進級後の新年度に繰り延べる。「時間割の工夫などで対応可能」(同市教委)としており、土曜授業の拡充や夏休みの短縮は検討していないという。市立中学に進学する小学6年は、中学教員が小学の内容を教える異例の対応となる。

 一方で、福岡県うきは市は、1学期を7月末まで延長し、夏休みを短縮する予定。同県飯塚市も新学期に実施する方針で「夏休みの短縮も選択肢の一つ」という。

 同県中間市は、休校中に教員が2回程度、家庭訪問を実施。履修できていない内容の課題を手渡し、疑問点は家庭訪問や電話で受け付けるという。大分県教委は、新年度へ繰り延べるのは難しいとの立場で「各学校で課題を出すなどの対応を検討中」としている。

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 子どもたちにとって大切な3学期の成績評価も混乱している。

 「授業がほぼ終わっている中高の3年生はあまり問題がない」(教育関係者)とされるが、多くの学校が2月末までの学習内容で評価せざるを得ない事態になっている。

 ただ、「評価ができない項目もまだまだある」(小学教諭)のが実情で、福岡市内のある小学校では最後の登校日となった28日、3時間の間に5教科分のテストを急きょ実施したクラスもあったという。

 同市のある中学教諭は「感染の封じ込め、子どもの健康、安全の確保は理解できるが、もっと冷静で現実的な対応があったのではないか」と話した。 (新型肺炎取材班)

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