「おいはまだ4歳やけんな」。高校時代にそんな冗談を飛ばす友がいた…

西日本新聞 オピニオン面

 「おいはまだ4歳やけんな」。高校時代にそんな冗談を飛ばす友がいた。あながち偽りではない。東京五輪の年の2月29日が誕生日だった

▼友が言うには誕生日が暦の上で4年に1度とは寂しい。3月1日に食べる誕生ケーキは味気ないとか。きょうが誕生日の方は計算上1461人に1人。4年間心待ちにされた日を祝福したい

▼こちらは4年に1度どころか前代未聞の事態である。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、安倍晋三首相の表明を受け、文部科学省が全国の教育委員会に小中高校などの一斉休校を要請。九州の自治体でもほぼ3月2日からの休校が決まった。共働きの保護者からは「そんなに休めない」「給料が減れば生活はどうする」と悲鳴が

▼何より心配なのが卒業式。4年どころか6年、式を心待ちにしていた児童も多かろう。大学や社会へ旅立つ高校生にとっては友に最後の別れを告げる場だ。関係者の配慮で開催を祈りたい

▼それにしても4日前まで「イベントの全国一律の自粛要請はしない」としていた政府の突然の変貌。株価急落など経済への打撃も深刻化した。首相の胸には、うるう年開催の五輪を絶対に東京で途絶えさせないとの決意がありそうだ

▼明確なのはここで流行を食い止めねばならないということ。個人の自覚ある行動も必要だ。ウイルスも暦のように人が操れればよいのだが、と憂いに沈む、うるう日である。

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