「仰げば尊し」響かぬ門出 九州の高校で卒業式、新型肺炎で厳戒態勢

西日本新聞 豊福 幸子 梅本 邦明 西村 百合恵

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が教育現場にも広がる中、九州各地の高校で1日、卒業式が開かれた。学校側は感染リスクを抑えるため、保護者や来賓の出席に制限をかけるなど異例の対応に追われた。生徒たちは参列者がそろってマスクを着用する厳戒態勢のもとで、級友や恩師との別れを惜しんだ。

 福岡市早良区の福岡県立修猷館高(高島孝一校長)では、参列者全員がマスクを着用。事前に保護者の参列を原則1人にするよう呼びかけたこともあり、例年は立ち見が出る講堂には空席もあった。

 式典では生徒が歌う「仰げば尊し」などをプログラムから削除。校長の式辞なども読み上げる文の量を減らして全体の時間を短縮し、毎年2時間かかる式典を約40分で終えた。井上英一郎副校長は「生徒の心情が心配だったが、落ち着いた反応だったので安心した」と話した。

 独自対応を取った私立高も。同県太宰府市の筑陽学園高(新田光之助校長)では式典を従来の体育館では行わず、卒業生477人がクラスごとに分かれて教室で実施。前日にはオゾン発生器を使って教室を殺菌する対策を施した。

 式典は、視聴覚室に卒業生、在校生、教職員の各代表ら少人数が集まって開催。新田校長が卒業生代表に卒業証書を手渡す様子や在校生の送辞、卒業生の答辞が各教室にテレビ中継された。保護者用の教室も別に用意され、テレビ画面越しに式の様子を見守った。

 感染者が一人も出ていない佐賀県内の高校も、衛生対策を強化して臨んだ。佐賀市の佐賀西高(松尾敏実校長)は卒業生271人や保護者、教職員らがマスクを着け、持たない人には学校側が用意。体育館の出入り口には消毒液を置いた。

 卒業生の千綿晃史郎さん(18)は「先生が一生懸命準備してくれたおかげでいい思い出になった」。参列者制限など規模も縮小されたが、父泰隆さん(47)は「学校全体で決めたことで常識的に考えてやむを得ない」と理解を示した。 (豊福幸子、梅本邦明、西村百合恵)

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