「目的は何なのか」情報乏しく捜査難航 宇佐の親子殺害1カ月

西日本新聞 大分・日田玖珠版 井中 恵仁 吉川 文敬

 大分県宇佐市安心院町荘の民家で親子2人が殺害された事件は3日、発覚から1カ月を迎えた。犯人につながる情報に乏しい上に、親子に目立ったトラブルもなく、捜査は難航。県警の調べで、凶器と見られる包丁(刃渡り約20センチ)に指紋が残っておらず、車両で逃走した可能性が高いことも判明。県警は強い殺意による計画的な犯行の疑いがあるとみて、捜査員88人態勢で犯人の行方を追っている。

 事件は2月3日午前に発覚。山名高子さん(79)と長男の郵便配達員博之さん(51)が1階のダイニングキッチンで亡くなっていた。死因はいずれも首を切られたことによる失血死で、死亡推定時刻は同2日夜。2人は同時刻に襲われたとみられ、博之さんは上半身を中心に刺し傷や切り傷が数十カ所、高子さんにも十数カ所の傷があった。捜査関係者によると、流し台で見つかった包丁には指紋が残っておらず、犯行時に手袋をはめるなど隠蔽(いんぺい)工作をした可能性が高いという。

 遺体周辺には少なくとも3種類の血や土のついた土足痕が見つかり、うち1種類はゴム底サンダルだった。屋外には微量の血液反応しか確認されておらず、敷地外では犯人とみられる足跡が見つかっていないことから車両で逃走した可能性が高いという。物色された明らかな形跡はなく、財布や携帯電話は残っており、貯金口座からの事件後の出金記録もなかった。ある捜査関係者は「目的は一体何なのか」と頭を抱える。

 現場周辺は田園地帯で夜間の人通りや防犯カメラも少なく、犯行時間帯の情報が乏しいことも捜査を阻んでいる。

 地域住民からは「早く解決して」との悲痛な声が聞こえる。子ども2人が地元小学校に通う主婦(37)は「事件後、外で遊ぼうとしなくなった」とこぼす。現場近くに住む農業男性(68)は「昼間でも玄関の鍵を閉めるようになった。元の平穏な暮らしに戻りたい」と早期解決を願った。(井中恵仁、吉川文敬)

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