子ども食堂、感染懸念で相次ぐ休止 「今こそ力に」食材提供も

西日本新聞 社会面 御厨 尚陽 金田 達依

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、無料や格安で食事を提供する「子ども食堂」が相次いで休止している。九州では自治体が自粛要請した地域もあり、北九州市内ではほとんどの食堂が休止を決めた。ただ、突然の臨時休校で命綱だった給食が食べられずに途方に暮れる困窮家庭の子どももいる。「今こそ力になりたい」と食材を提供したり、食事会の頻度を増やしたりする食堂もある。

 福岡県岡垣町の「こころ食堂」で2日夕、女の子がうどんやちらしずしを味わっていた。昨年12月のオープン以来、平日は毎日朝食と夕食を提供。毎回15人程度が利用するが、保健所のアドバイスで4日からいったん休止する。運営するNPO法人の清田尚美代表理事(60)は「ここでの食事が習慣になっている子もいるだけに、閉めている間が心配」と唇をかんだ。

 同市は行政と連携する27の子ども食堂に自粛を要請し、いずれも20日までの休止を決めた。重症化リスクが高いとされる高齢のボランティアへの感染を心配する声が多かったという。

 福岡県内の太宰府、春日、大野城、筑紫野、那珂川の5市では少なくとも39カ所が休止。熊本市南区の「こどもキッチン・ブルービー」も「感染者が出ると、子ども食堂全体のイメージを傷つける恐れがある」と今月は開催を見合わせる。

 食事会に代わる支援を模索する動きもある。

 北九州市で子ども食堂を運営するNPO法人「フードバンク北九州ライフアゲイン」は市と協力し、企業から寄せられた食材を希望者に配布する準備を進めている。原田昌樹理事長(54)は「備えのないまま長期休暇に入り、困っている家庭は多い。行政区ごとに配布拠点を設け、子ども食堂の利用者に広く行き渡らせたい」と力を込める。

 食堂を休止する大野城市のNPO法人「チャイルドケアセンター」も2日から地元のパン店と協力して毎日500食分のパンを配り始めた。大谷清美代表理事(52)は「初日は大勢が訪れ、わずか1時間で配り終えた。他の企業にも食材提供の協力を求めたい」。鹿児島市の「祥徳寺子ども食堂」は28日の食事会を開くかどうか決めていないが、中止の場合は弁当などを提供する予定という。

 福岡県久留米市の「安武こども食堂」は月2回の食事会を、9~24日の平日は毎日開く。利用者の検温や手洗いなど予防対策を徹底し、学習支援も行う。担当者は「仕事を休めない家庭も多いだけに、子どもの居場所をつくりたい」。

 こども食堂ネットワーク(東京)の釜池雄高事務局長は「子ども食堂は人脈や食の支援のノウハウを培ってきており、ピンチを乗り越える力がある。工夫を凝らし、子育て家庭を支えてほしい」と話した。 (御厨尚陽、金田達衣)

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