感染対策、政権場当たり 学童保育拡充へ教員動員「授業とどう違う」

西日本新聞 一面

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)が拡大している問題で、全国の小中高校で臨時休校が始まった2日、国会では参院予算委員会の本格論戦がスタートした。ウイルス関連に質問が集中し、安倍晋三首相は全国一斉休校を要請した理由を再三問われたが、2月29日の記者会見と同じく「この1、2週間が瀬戸際」との説明を繰り返すにとどめた。首相が同日の会見で「全ての患者が受けられる能力を確保する」と表明したウイルス検査に関し、加藤勝信厚生労働相は、民間の検査能力が3月中旬までに600件しか増えないと説明。審議では答弁にほころびも多く、政権の場当たり的な対応が浮き彫りになった。

 「子どもたちの学校生活とか、経済的影響の大きさに想像力がないのか」。小学校教諭の経験がある立憲民主党の斎藤嘉隆氏は「一斉休校自体を非難する声ばかりではない」としつつ、混乱が収まらない休校を判断した経緯を質問した。

 「影響は当然、検討した」「クラスター(患者集団)が学校で発生したときのことを考えなければならない」…。釈明に追われる首相。休校判断で科学的裏付けの説明も乏しく、小中高校生の感染者数を聞いた斎藤氏に、加藤氏が答弁に詰まる場面もあった。

 立民の蓮舫氏は、保育所などには休業を求めない理由に関し「学校よりも感染リスクが低い疫学的根拠があるのか」と追及。加藤氏は「一概には申し上げられない」と語り、参考人として出席した政府専門家会議の脇田隆字座長(国立感染症研究所長)が「そのような比較はしていない」と述べた。

 首相らは、親が昼間に面倒を見られない子どもへの対応として学校の空き教室を活用し、教員を動員して学童保育を拡充する方針を表明。これに対し、立民の福山哲郎氏は「学校で授業をするのとどこが違うのか」と指摘した。

 首相と閣僚の認識のずれも露呈した。検査態勢について、首相は「かかりつけなど身近な医師が必要と考えれば、全ての患者が検査を受けられる(ようにする)」と強調したが、加藤氏は「(一般の医療機関は)他の患者と一緒になるリスクがある。(設備が整った)帰国者・接触者外来の判断による検査が当然の流れだ」などとした。

 防戦一方の論戦を強いられた首相。国民民主党の足立信也氏の「国民の多くは、総理がパニックに陥っていると感じている」との指摘には「そんなことはない」と返すのが精いっぱいだった。

 「危機管理を看板にしてきた首相が、こんなに混乱するのは見たことがない」。自民党の中堅議員は驚いた様子で語った。 (東京支社取材班)

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