山村で炭焼きや畑仕事を…

西日本新聞 ふくおか都市圏版 久 知邦

 山村で炭焼きや畑仕事をして過ごしていた男性の穏やかな生活は、徴兵されて終わった。自宅に残された日記には「国のために」などの勇ましい言葉は一つもない。中国で戦病死し、遺骨も戻ってこなかった▼「元気にやっていますから心配しないで」。中国から東南アジアへと転戦を重ねた男性は、家族を気遣うはがきを何通も送った。マラリアに苦しみ、最期はガダルカナル島で命を落とした▼「米国は広大な国で物質は豊かだが、精神がなっとらん。日本の武士道精神は優れているから勝てる」。戦時中、米国についてこう教えられたと80代男性は言う。他国を侮り、精神論に偏重した結果、何が起きたか。今年で戦後75年。一人一人の生きた記録を追いながら、あの時代の教訓を伝えていきたい。(久知邦)

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