“密閉施設”悩む感染防止 ジム、ライブハウス…「正直しんどい」

西日本新聞 一面 小林 稔子 向井 大豪 仲山 美葵 郷 達也

 新型コロナウイルスの感染クラスター(集団)の発生を受け、政府の専門家会議が、人が集まり風通しが悪いため避けるべき場所として示したスポーツジムなどが感染防止策に追われている。施設側は密閉空間での運動休止や機器の消毒などの徹底を図るが、先行きが見通せない現状に悲痛な声も上がる。

 「正直、ジムが挙げられてしんどい。政府が支援してくれないと、ジムはどこも持たない」。福岡県内を中心にスポーツジムを展開する企業の担当者は語気を強めた。感染者が確認された福岡、北九州両市の店舗では5日から、エアロビやヨガなどで使うスタジオを休止する。最大30人ほどが一度に集まるため「密閉空間になる」と判断した。

退会続出、春先入会ゼロ

 同県内の別のフィットネスクラブも、会員がトレーニング機器を使用し終えたらすぐにアルコール消毒し、館内用のスリッパも1時間ごとに消毒している。会員は約700人だが感染拡大後、退会者が続出。例年春先は入会が多いが、今年は2月末からゼロが続く。店長(28)は「きょう、あすにでも休業することもあり得る。利用者がいつ戻ってくるかが心配」と不安を募らせた。感染拡大により休業を余儀なくされているスポーツジムは少なくないという。

 国側はジムのほかライブハウス、カラオケボックス、ビュッフェスタイルの会食などでの集団感染を指摘。重症化リスクは低いが感染を広げる可能性がある10~30代に混雑する場所に行かないよう求めている。

 福岡市内のライブハウスでは3月の6件のライブが延期やキャンセルとなった。店長(33)は「このままだと営業が立ちゆかなくなる」と打ち明けた。客層も大半が20~30代で、各ライブの主催者には観客の体調確認や、マスク着用、手洗いを呼び掛けるよう要請。自前で用意したマスクを配る主催者もいたという。

 ゲームセンターや温浴施設が入る「小倉コロナワールド」(北九州市小倉北区)は2~13日の平日午後3時まで、小中高生の来場を制限している。子どもが連れだって閉鎖的な空間で過ごすことを防ぐ狙い。カラオケ店やボウリング場などの「ラウンドワンスタジアム小倉店」(同)も同様の来場制限を実施中だ。

歌うたびにマイク消毒

 同区のカラオケ喫茶は客同士に距離を置いて座ってもらい、歌唱後も毎回マイクのアルコール消毒を求めている。経営者の女性(69)は「密閉空間にならないよう心掛けている」。

 博多湾を巡るレストラン船「マリエラ」は4日から当面、ビュッフェをやめ、代わりにコース料理を提供することにした。

 ピエトロ(福岡市)も4日、九州と関東の9店でサラダバーの当面中止を決めた。15分間隔でのトング交換など通常の衛生対策に加え、従業員にマスク着用させるなどしたが、「利用者の心情なども考慮した」としている。

(小林稔子、向井大豪、仲山美葵、郷達也)

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