膨大な量の汚染水、林立するタンク 処理は2年後に限界…福島第1原発

西日本新聞 社会面 吉田 修平 森井 徹

 むき出しのまま、ぐにゃりと曲がった鉄骨が、水素爆発を起こした「あの日」の映像を想起させる。いたるところに目立つさびが、東日本大震災から9年の歳月を物語っていた。

 日本記者クラブ取材団として、東京電力福島第1原発を訪れた。穏やかな太平洋を望む地に並び立つ原子炉建屋。「復興五輪」を掲げた東京五輪の開幕まで4カ月余りとなった今も、周辺ではがれきの撤去や、倒壊の危険がある排気筒の切断作業が続いている。

 取材団から建屋までの距離は約100メートル。マスクや防護服を着用せず、近寄れることに拍子抜けした。東電によると、除染などを進めた結果、現在は構内の9割超の場所を軽装で動けるようになったという。

 ピーピー。突然、胸につけた線量計が鳴動した。今なお取り出せない核燃料やがれきが、放射線を発している。建屋前にいた15分ほどで浴びた放射線は20マイクロシーベルト。歯科診療のエックス線検査2回分ほどだ。

 構内には、おびただしい数の大型タンクが林立していた。放射性物質に汚染された水を浄化した「処理水」をためるタンク群。その容量は約2年後に限界を迎える見込みだが、汚染水の発生を止めるすべは見当たらない。膨大な量の処理水をどう処分するのか―。

(吉田修平)

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ