二重被爆の体験語り継ぐ 山口彊さん没後10年、長崎でしのぶ会

西日本新聞 夕刊 徳増 瑛子

 広島と長崎で2度にわたって直接被爆し、2010年に93歳で亡くなった被爆者山口彊(つとむ)さんをしのぶ会が2月23日、長崎市内であった。没後10年の節目となる中、親族らゆかりの30人が集まり、山口さんの二重被爆の体験を伝え続けることを誓った。

 三菱重工業長崎造船所の設計技師だった1945年8月6日、出張先の広島市で被爆。やけどして、救援列車で長崎市に戻ったが、9日には爆心地から約3キロの地点で再び被爆した。原爆が原因とされる急性白血病や白内障と闘いながら、自らの体験を基に広く非核を訴え続けた。

 しのぶ会では、山口さんのひ孫で、長崎市立淵中1年の原田晋之介さん(13)が山口さんの2度の被爆体験や、平和への思いを伝える紙芝居を朗読。映画監督の稲塚秀孝さん(69)が山口さんら二重被爆者の4人の姿を追ったドキュメンタリー映画「ヒロシマ ナガサキ 最後の二重被爆者」(2019年)も放映された。

 会合の最後には、「非核恒久平和は私の悲願。一人一人が真摯(しんし)に過去の歴史と向き合い、平和の大切さや命の尊さを考えてください」という山口さんの生前の言葉も紹介された。

 山口さんの長女、山崎年子さん(71)は取材に「父は人類愛の深い人だった。父の活動を振り返って、原爆の凄惨(せいさん)さを多くの人に言い伝えていかなければいけないと背中を押されたようだ。勇気づけられた」と語った。 (徳増瑛子)

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