「東日本大震災よりひどい」「閉店の危機」小倉の飲食街閑散

西日本新聞 北九州版 野間 あり葉 東 祐一郎

 歓送迎会で繁華街がにぎわう季節だが、今年は閑散としている。新型コロナウイルスの感染拡大で宴会を自粛する動きが広がり、北九州市内で1日に初の感染者が確認されたことも拍車を掛けている。同市小倉北区の飲食店では百人単位のキャンセルも発生し、一時休業に追い込まれる店も。「経営に大打撃だ」と悲鳴が上がっている。

 「自粛ムードは東日本大震災のときよりもひどい」

 同区の老舗中華料理店を経営する男性(73)は、ため息をついた。2月下旬~4月上旬の団体予約は、50件以上がすべてキャンセル。「お客さんのために店を閉めるわけにはいかない」と話した。

 地鶏専門居酒屋「掌」(同区)は1日から臨時休業している。予約のキャンセルは約200人に上る。経営者の乃木君彦さん(45)は「週末でさえガラガラだった。営業再開のめどは立っていない」と打ち明けた。

 経営者も必死だ。

 同区でスナックを経営する女性は無料通信アプリLINE(ライン)で常連客に来店を呼び掛ける。「普段は営業は掛けないけど、このままじゃあ、つぶれてしまう」

 同区のイタリア料理店は店頭で持ち帰り用のパスタの販売を検討している。「客足が戻る見通しは全くないが、やれることをやるしかない」と前を向く。

 県内の約360社でつくる北九州中小企業経営者協会には会員から悲痛な声が相次いで寄せられ、「特に小倉中心部の飲食店に影響が出ている」としている。

 企業も対応を迫られている。安川電機(八幡西区)は2月27日、全社員に会食、懇親会は延期が望ましいと呼び掛けた。小倉北区の20代女性は勤務先の会社から飲み会の参加を自粛するよう求められた。女性は「送別会ができないのはさみしい」と肩を落とした。

 感染症が専門の下野信行・九州大病院グローバル感染症センター長は、歓送迎会を開く場合の注意点として「体調が悪い人は参加しないことが前提だ。席をなるべく離したり、せきエチケットを心掛けたりすることが感染拡大のリスクを下げる」と呼び掛けた。(野間あり葉、東祐一郎)

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