通知表への疑問と迷い…あな特通信員に聞いてみた

西日本新聞 くらし面 前田 英男 金沢 皓介

 シリーズ「通知表の?」には、読者やあなたの特命取材班とLINEでつながる通信員(フォロワー)からさまざまな声が寄せられている。主観的とされる評価基準への疑問を投げ掛ける若年層に対し、矢面に立つ教師も迷いは否定しない。信頼性と妥当性の確保へ、なお模索は続きそうだ。

 福岡県の高校2年生男子生徒(17)は「学習態度は変わらず、テストの成績は自分より悪いのに推薦入試を受ける生徒は評定が良かった」と振り返る。「好きな生徒には甘く、そうでない生徒には厳しい。平等には見えなかった」と語る。

「先生の好き嫌いで判断」

 高校3年の女子生徒は「中学の時のテストで私が79点、前の席の子は20点台。でも評価は同じ『3』。前の席の子はいつも先生にこびているように見え、先生も応えていた。通知表を受け取るたびにいらいらした」。福岡市の女子高校生は「女性教師がお気に入りの男子生徒に良い評定を出していた。『社会ってこんなもん』と思ったが今考えれば許せない」と憤った。

 2001年度以降、評価手法は他の生徒と比較する相対評価から、目標に準拠した絶対評価に変わった。元中学教師は「実態は主にテストで判断する相対評価の時と変わらなかった」と振り返る。評価の時期になれば、教科間などのばらつきをなくすため、管理職から相対評価で付けるよう促されたという。別の元教師も「相対評価の方が現場の負担は少ない」と語った。

「明確な基準がなく苦悩」

 多くの中学校の通知表には、A~Cの観点別評価と5段階の評定が記載されている。観点別が全てAでも評定で「4」があれば、Bがあっても「5」もある。「その仕組みを生徒や保護者に説明しても、統一された明確な基準がないため堂々巡りの議論になったことがある」と、福岡県の中学校教諭は打ち明けた。

 「人物重視なら信頼性は揺らぎ、テストに頼ると測りたい学力の一面しかとらえられない。われわれ教師には『評定』に矮小(わいしょう)化された現在の評価を、学習計画に生かす努力が求められている」。北九州市の40代中学校教諭は自戒を込めてそう強調した。

(編集委員・前田英男、金沢皓介) 

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