九州の中高校生のためのつどい 菊池良和(九州大病院・吃音外来医師)

連載:吃音~きつおん~リアル(16)

 「一人じゃなかったんだ。良かった」。高校1年の女子生徒は胸をなで下ろしたそうです。

 親との会話でつっかえると「ゆっくり話しなさい」「落ち着いて話せばいいんだよ」と注意され、吃音(きつおん)の悩みを話せませんでした。学校の友人関係でも悩んでいました。

 そんなとき、「九州・中高校生吃音者のつどい」が毎年3月、福岡市で開かれていることをインターネットで知りました。2年前の日曜、親にも内緒で参加したのです。中高生だけではなく、大人のスタッフも吃音のある人ばかりでした。

 「学校で発表する時に言葉が詰まると、周りの生徒が気を利かせて答えを教えてくれる。でも、答えが分からないんじゃなく、言葉が出ないことを理解してほしい」。高校生の発言に深く共感しました。別の高校生が「英検の面接試験では最初に英語で吃音があると伝えておくと、落ち着いて受け答えできて、2次試験は満点だった」と客観的に話していたのも新鮮でした。女子生徒はいろいろな人がいることを知り、安心感を胸に帰途に就きました。

 吃音のある子どもの支援体制はまだ切れ切れです。そんな中高生のため、私も所属する「福岡言友(げんゆう)会」は2009年からつどいを開き、ボランティアで年1回続けています。生徒だけでなく、保護者の体験、情報共有の場も担っています。

 つどいに満足してくれる人もいれば、吃音があることを隠してきた人の中には雰囲気になじめない様子も見られます。大切なことは、吃音とともに生きていくための情報や選択肢を知ってもらうこと。あいにく、21日開催予定だった今年のつどいは、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。(九州大病院医師)

 

◆菊池医師への質問を募集しています 

 菊池医師に聞いてみたいことはありませんか。近く読者からの質問に答えてもらいます。質問はお名前と連絡先を明記の上、医療取材班へ。

【メール】med@nishinippon-np.jp

【ファクス】092(711)6246

【郵送】〒810-8721(住所不要)西日本新聞医療取材班

PR

開催中

初めての俳句教室

  • 10月7日(木)、11月4日(木)、12月2日(木)
  • 耳納市民センター多目的棟

PR