使用中止4年半の大型滑り台、再開に向け始動 長崎県長与町

 人気だった巨大遊具から子どもたちの歓声が消えて4年半。長崎市に隣接する長崎県長与町の中心部にある大型滑り台「スパイラルスライダー」は小学生が足を骨折するなどの事故が相次いだ後、使用中止が続いている。ふるさと創生事業で整備された公園の目玉をこのままにしてはおけないと、町は利用再開に向けて2020年度から改修の設計に入る方針だ。

 JR長崎駅から列車で北へ約15分。長与町の長与駅東口を出ると、正面奥の丘陵地にある赤い構造物が目に入る。二つの丘の中腹を結ぶ歩道橋「エアロブリッジ」と、その橋の中央部から谷底まで滑り降りるスパイラルスライダー。中世の山城跡に町が開発した中尾城公園(約9・4ヘクタール)の中心施設だが、近づくと異変に気付く。スパイラルスライダーの入り口と出口には柵が設けられ、「立入禁止」の札がつり下げられていた。

 町によると15年7月、当時11歳の男子児童が滑っている途中で左足を骨折する事故が起き、同月以降使用中止となっている。事故はそれまでの約10年間で計12件に上り、少なくとも半分で児童が骨折を負っていた。

 ビル7階に相当する高さ26メートルの地点から、らせん状に2回転して一気に滑り降りる。長さは63メートルでスリル満点だ。オープン当初は「日本一のらせん状滑り台」として話題になり、公園の呼び物となった。

 公園の整備は、1988~89年度に交付されたふるさと創生事業の1億円がきっかけ。長崎市のベッドタウンとして急速な人口増が続いた時期。町が、使い道について町民にアイデアを募ったところ、公園を求める声が多かった。「子どもを遊ばせる場が望まれていたようだ」と町職員。町は約33億円を投じて公園を造り、そのうちスパイラルスライダー、エアロブリッジ、階段状の花壇エリアに計約2億8千万円を掛けた。94年にオープンした。

 スライダーの使用中止から4年が過ぎた昨年9月。吉田慎一町長は町議会で「再開のめどが立った」と述べ、改修の設計を2020年度に始め、21年度に着工させる考えを表明した。国からの交付金の活用も視野に入れているという。

 難題はこれからだ。町は事故対策として出口付近の傾斜を緩くすることなどを検討。費用は5千万~6千万円を見込む。設計段階で安全性が担保できないと判断したり、想定をはるかに上回る支出を予測したりした場合は、利用再開を見送ることも選択肢にある。その際は「公園のシンボル、町のランドマークとしてそのまま残したい」としている。

 だが、昨年12月の議会では「安全でないとされた物を残すのは、シンボルというより『負の遺産』になるのでは」と、議員から懸念する声も出た。巨大構造物を無駄にしないための知恵が、町に求められている。(坂本公司)

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